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2003.12.3◎ダカーポ

別の形での“罪の償い”を提案

 なぜ、死刑廃止を唱えるのか。答えは明快だ。
「死刑は国家による殺人。これは、決してすべきではない。次にえん罪があること。どんなに精査しても人のやることですから、間違いは出るものです。無実の人を殺したら、誰が責任を負うのか」
 元警察官官僚だっただけに説得力がある。
 超党派の議員からなる「死刑廃止議員連盟」の会長に就いてから、死刑囚からの手紙が何通も届く。
「中でも印象的だったのは、見事な時で書かれた手紙。この方が、本当に凶悪な犯罪をしたのかと。確かに当時は、凶悪な殺人者だったかもしれません。しかし、現在の精神状況は素直な心に満ち、罪を悔いて、ひたすら被害者の冥福を祈る。その気持ちが手紙を読めば、切々と伝わってくる。やはり、行きたい。生きて罪を償いたいんです。」

誰もが犯罪者になり得る
 近年、死刑判決がよく下り、極刑を望む世論の風潮も気になる。
「被害者とその家族等の心情は分かります。だが、その心情を国家として認めるということは別。憎悪の連鎖の中には、未来はないでしょう。現法では、人を殺すと死刑になる。それほど人を殺すことがけしからんのなら、それを償うという意味で死を与えるというのは、ある意味、矛盾ではないか。人の命が大切なら、犯罪者も人の命。凶悪な事をやった人の命も大切ではないのか」
 議連では死刑ではなく、別の形で罪の償いをさせることを提案している。そのひとつが、終身刑である。
「今、死刑囚には労働がありません。労働をさせ、そのわずかな対価でもいいから遺族にお渡しする。死ではなく一生涯かけて別の形で償いをさせる。そこに終身刑の発想があるのです」
 同じ政治家でも、市中引き回しにすべきと叫ぶ人もいる。
「報復感情がエスカレートすると、死刑では足りない。そのうち、八つ裂きにしろなんてことになりかねない。そうではなく、罪ある人を赦(ゆる)すという方向に、国が導いていく必要がある。凶悪犯罪を犯す人が、必ず犯罪を犯す運命にあるわけではない。同様に生涯犯罪を犯さないという運命もない。その時の社会環境・人間関係などで、ある者は犯罪を犯し、ある者は犯さない。誰もが犯罪者になり得るんですよ、この世は」


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