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2005.6.6◎毎日新聞朝刊 平成17年6月6日(月)

「靖国参拝」を考える
緊急インタビュー(2)


外交配慮で自粛やむなし

 首相が靖国神社にお参りするのは当然だ。しかし、世界の中で日本だけで生きているわけではない。日本はアジアの中で生きていかないといけない。この問題で近隣諸国、特に中国、韓国との関係がギクシャクして、国家、国民生活に重大な影響を与える可能性があるとすれば、首相がお参りを当面控えるとか。外交的配慮はあってしかるべきだ。(今年は)残念ながら、配慮せざるを得ないだろう。
 首相が、靖国に参拝する環境を整備しようと、(A級戦犯の)分(ぶん)し論が自民党内でも出てきている。これはきわめてご都合主義的な議論だ。
 分(ぶん)しを認めると、天皇陛下は法的責任はないが、道義的責任はどうなんだ、という(戦争責任の)議論が生じてくる。そんなことは絶対に許すべきではない。
 分(ぶん)しに言及することは、憲法の政教分離の規定に抵触する可能性がある。外交上の生涯を取り除くために、政治が介入していいということにはならない。憲法の信教の自由を侵すおそれもある。
(戦時中は)みんなが「靖国で会おう」と言って亡くなっていった。これは歴史的事実だ。新たな追悼施設といっても、だれが参拝するのか。無用の長物になりますよ。
首脳会談で打開を
 今は、日中両国の首脳がひざを交えて話をして、将来の友好を樹立するにはどうすべきか、過去の問題をどう生産していくかを、素直に考えなければならない。それには中国の反日教育にも、「見直してくれ」と言わないといけない。
 過去については、それぞれの思いがある。それを引きずらないで、過去の忌まわしいことは、あえて触れないことも知恵だ。そういうことについて、具体的に話し合いすべきだ。
 中国の現在の姿勢が、そのまま硬直的に続く前提で考える必要はない。中国も日本を切り捨てるわけにはいかない。
 靖国参拝と日本の国連安保理常任理事国入りは、問題が違う。しかし、今のように日本が米国の言いなりになっていると。中国も日本を相手にしないということになるかもしれない。日本の利益、世界の利益、米国、中国の利益をどう考えるか。(外交は)バランスを取っていくことが大事だ。そのバランス感が、小泉首相にはない。

※無断転載を禁ず


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