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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2003.3.2◎財界 平成15年3月11日号
特集:
金融・産業再生待ったなし!
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“枯れ葉作戦”下で元気な木を作ろうといっても無理です


 いまのような枯れ葉作戦をやっている下で元気な木を作るというのは無理な話で、しかもそれを民間にやれというのは酷な話です。経済が成長路線に乗り、民需が出てくる状況でなければ、まず官需を出すことを思い切ってやらなければいけません。
 国が産業再生機構で、何十万とある企業を、これは生かす、これは殺す、というようなことを、いくら公認会計士やコンサルタントを何人も導入しようが、できるわけがありません。
 産業再生機構はもう、基本が間違っています。まず景気をきちっとよくしていく政策をやっていくことが大事で、民需がどんどん出てくる環境を作らないで、民間の再生を求めてもしようがない。金融政策も間違っています。不良債権の直接処理のようなことを不景気な中で強行しているので、産業資金が流れない状況にあるからです。
 いまは産業資金に対する需要が無くなっています。銀行が金を貸そうにも借り手が無くなっているんです。私の地元(広島)の商工会議所で調査したら、加盟社では一社も金を借りたいというところがなかった。貸し渋りどころか、金を借りようとしなくなってしまったんです。中には金を借りたいところがあっても、返済が済んでいないから借りることができない。だから結局、金がだぶついて国債に流れてしまっています。GDPの統計は、やり方を変えたから良い数字が出ただけで、実態を反映していません。
 20年ぐらい前までは、経営者は、景気不景気の波があったから、死にものぐるいで、未来への消費へ向けて、凄まじい技術開発をやり、資金をつぎ込んできました。今の経営者はそれをしていません。どんどん暖簾を切り、従業員を切り、リストラ優先のことをやっています。こんなところにニュービジネスは出てきません。とにかく米国式経営の真似をやってきたが、その米国企業が粉飾決算などであのありさまです。
 昨秋、財務省で研究開発の投資減税について検討せよと厳命したら、主税局長「対象がありません」との返答が返ってきた。というのも研究開発まで外国に行ってしまっているからです。そこまで、日本は落ち込んでいます。
 日本は通商国家や金融国家にはなりえません。今やるべきことは、政府が表に出ること、経営者はチャレンジ精神をきちんと持つことです。

※無断転載を禁ず


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