新聞・雑誌等での亀井静香の発言
同盟国こそ米いさめよ
---戦争は避けられなかったのでしょうか。
亀井 そんなことはない。政治の一番大切な仕事は戦争を防ぐこと。なのに日本は何をしたか。「同盟国だから支持」ではなく、同盟国だからこそ煙たがられても直言すべきだった。
---具体的には。
亀井 軍事的圧力は必要だが、実力行使となると悲劇は免れない。自ら武装解除するようプレッシャーを掛けた上で、査察を強化、継続すべきであり、日本は米国をいさめなければならなかった。米国と独仏の溝の修復役を担うなどとの声があるが、米国に何も言えなかった日本の言葉に誰が耳を貸すだろうか。
---「支持」の理由付けとして、北朝鮮脅威論が浮上しました。
亀井 近所に不良がいる。守ってもらわないといけないから、ガキ大将についていこう---というのが今の日本。なぜ、自力で身を守らないのか。開発中のミサイル迎撃システムはノドンを撃ち落とせる。先日、アーミテージ(米国務副長官)に会ったが、彼も認めていた。そのシステムを一刻も早く完成すべき。補正予算を組んででもだ。
また対米追従の姿勢は、日本人拉致問題にも影響する。なぜなら、米国は北朝鮮の核開発や生物兵器には危機感があるが、拉致には関心が薄い。「物申さぬ日本」とされてしまえば、将来の米朝協議で拉致が置き去りにされかねない。
---イラクへの自衛隊派遣が検討されそうです。
亀井 復興に力を貸すのは当然だが、自衛隊に何をやらせるのか。戦後のイラクは占領下の日本とは違う。パレスチナと同じで、いたるところで銃が火を吹く。手足を縛られた自衛隊を行かせても意味がない。日本がすぐ取りかからなければならない問題は別にある。
---何でしょう。
亀井 戦後求められるのは復興だけではない。テロ対策だ。戦争は米英が勝つが、テロは世界中に拡散するはずだ。「支持」で突出した日本はリスクを背負った。警察でテロゲリラ対策の責任者を務めた経験から言うと、日本はテロに対してあまりにぜい弱。情報を国際的に共有し、入国管理の見直しや都道府県の枠を超えた広域捜査体制などの備えを今こそ急ぐべきだ。
(下山克彦)
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