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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2003.8.26◎BIG tomorrow 10月号
オトコの自由時間
油絵を始めて本当によかったよ。
人生が倍楽しくなった感じだね

 「夢中になっちゃうよね。絵筆を持つと。時間が経つの、アッという間だよ。下手くそだから、この色を出したい、こういう風に描きたいと思ってもうまくいかない。だけどね、ときどきご褒美みたいにうまい色合いが出ることがある。ゴルフで言うとさ、まぐれでドライバーが240、250ヤード飛んだっていう瞬間があるでしょう。そういうエクスタシーを感じるんだよね」
 舌鋒鋭く、なおかつわかりやすい語り口で政治を身近に感じさせる亀井静香さん。激しい小泉批判を展開する政界の重鎮が、意外にもエプロン姿でキャンパスに絵筆を向けていた。
 「油絵を始めたのは、3年半ぐらい前かな。ちょうどいまと同じく、傘貼り浪人をしていたから」
 傘貼り浪人?
 「若い人にはわからないか(笑)。役職に全然ついていなくて、時間があったんだよ。それで、昔から好きだった絵を本格的に習ってみようかな、と。友人から先生を紹介してもらって、描き始めた。これは、本当に良かったと思うよ。人生が倍楽しくなった」
 インタビューが行われたのは、新宿区にあるアトリエ。窓際に現在製作中の静物画を始め、たくさんの作品が並んでいた。
 「これまで描いた絵は35点ぐらいかな。題材は、静物、風景、裸婦なんでも。だけど、最近はまとまった時間は作れないからね。少し空いた時間があるとここに来て、描いていく感じだね。何時間もキャンパスに向かうってことは難しい。前に一度だけ、山小屋に籠もって朝から飯も食わずに描いたことがあったけど、なかなかそういう時間はないよ。長い休みが取れたら重点的に描きたいけどなぁ」
 とはいえ、自民党総裁選も目前。党内の有力者である亀井さんの動向に注目が集まっている。
 「僕はね、完全に小泉さんを降ろすつもり。このままじゃ日本がおかしくなるよ。私はね、将来の日本は芸術と文化と産業が融合した社会にしなくちゃいかんと思う。いまのようなね、他人と見れば敵と思えみたいな社会で経済的に勝ち抜いていってもダメですよ。そんなもんじゃ誰も幸せだと思えないでしょう」
 自民党政調会長時代には、文化支援のために2500億円という巨額の予算を組んだという。
 「山奥の農村にヨーロッパの交響楽団が演奏にいく。そんなふうに本物に触れる機会を増やしたいよな。文化が深くその社会に根付いていかずに、その社会は豊かにならないよ。景気がよくなってもゆとりがない。フランスにしても、イタリアにしても、日本より所得は低いでしょう。でも、優雅だよ。やっぱり文化なんだ。日本にもすばらしい文化があるんだよ。それを見直せるゆとりのある状態を取り戻していきたいね」


自由時間に記す絵は心の記録 自分にとっては絵日記なんだ

 「先生に習うまでは、全然描いたことがなかったんだよ。自由時間があれば、ゴルフに行っていた。だから、絵筆を持ったこともない。それがいまは時間ができれば、描いているから。私の絵は、いわば絵日記なんだろうな。そのときそのときの自分の心の記録ですよ。日本全体が苦しい時期で、私の友人でも何人も自殺していっているしね。そういうときに政治家である自分が絵を描いていていいのかと思うこともあるよ。ただ、そういう気持ちも絵には出てくるからね。しっかりと手元に残しておかないと。欲しいって言ってくれる人も多いんだけど、絶対にあげられないんだ」

※無断転載を禁ず


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