活動実績

新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2004.2.11◎東京新聞
私の視点 イラク問題
国内政治大乱の要因に

---自衛隊のイラク派遣承認案の採決で、欠席に踏み切った理由は。


「イラク復興支援のため、不測の事態に対応力のある自衛隊が派遣されることには反対しない。 しかし、現時点のイラクは戦火が残り、復興段階にない。自衛隊が安全に活動できる状況ではなく、 現状ではとても派遣できない」


---日米同盟重視の観点から自衛隊派遣はやむを得ない、との考えも多いが。


「米国が勝手にやった戦争であっても、米国との同盟関係を優先して占領も戦闘行為もするというのであれば、 それはイラク復興支援特別措置法の想定外だ。そこまでやるなら、集団的自衛権について、国民の理解を得て 政府見解を変え、米英軍並みの権限と装備を与えるべきだ。無理なことをするから、オランダ軍に自衛隊が守られる 国辱的な光景を国際社会にさらした」


---自衛隊の支援内容については。


 「復興の主体がない。自衛隊の判断で道路や水道をつくっても、本当の意味での支援にはなりにくい。一部では仕事ができて喜ぶ人もいるだろうが、危険を冒してまで派遣することが本当に必要なのか」


---党の方針に反して本会議を欠席したことは、「造反」と言われてもやむを得ない?


 「政治家としての信念と党のはざまで、苦渋の選択として欠席した。党に協力しなかったのだから 覚悟している。安倍晋三幹事長には『打ち首、獄門、さらし首。極刑でも気の済むようにしなさい』と言ってある。しかし、政権に無批判であっていいわけはない。間違いをしようとしている時には『ダメだ』と言う。当たり前のことだ。党内にも慎重論は強かった。


---今後、イラク問題の展開による影響は。


「今年は(国内政治は)大乱になる。やはりイラク問題だ。日本経済も自力反転の軌道に乗ってきた状況にはない」


---派遣された自衛隊に犠牲者が出た場合、小泉政権の責任が問われて「大乱」が起きる、との見方がある。


「現に隊員が派遣されているわけだから、とにかく安全に任務を遂行して、イラク国民に対して少しでも寄与することをただ祈るのみだ。将来、どうなった場合、どうだなんてことを今言うつもりはない。(採決で造反した加藤紘一、古賀誠両元幹事長とは)この問題で連携を取ってないし、取るつもりもない」
(聞き手・山川剛史)
亀井静香 自民党元政調会長

かめい・しずか 東大卒。運輸、建設相、自民党政調会長を歴任。昨年9月の自民党総裁選に出馬するが、落選。 同10月から亀井派会長。広島6区、当選9回。67歳。

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