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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2004.4.1◎月刊新潟バイタリティー2004年4月号
トップインタビュー
「景気に光」が見えてきたのは大企業だけ
弱い者が強くなっていけるような政治を!

「景気は上向いてきた」。
 本当にそうなのだろうか?実感がもてない生活者に亀井氏からのダイレクトメールなメッセージ。
「大変な状況・惨憺たる実情」。
 確かに後者の方が私たちに響いてくる。現状をしっかり見極めないで、期待だけをもたせてもらって も、先の見通しは立たない。
 今の状態を正確に把握できる情報をもらい、どうすれば良いのか方向性を示してもらえれば、私たち 生活者も考えて行動できる可能性を亀井氏は今回のインタビューで示唆してくれた。


働く場所もなくモノも売れない厳しい状況
--それが地方の実態--


---亀井氏のお考えが編集され本を読み、感動いたしました。「構造改革と言って、ただ締めつけるだけではいけない」という点に特に共鳴いたしました。


亀井「景気に光が見えてきた」などと呑気なことを言っているけれど、現状は違います。一部の大企業が激しいリストラをして、従業員を解雇したり、下請けに対して非常に厳しい条件をつけて、本来であれば下請けに入るべきものを大企業が吸い上げて、黒字決算をしているのが実態です。
 特に地方は大変な状況だと思います。東京の場合、人と金とモノが集まってきますが、地方は働く場所もないし、商店では、モノが売れないというように、とても厳しい状況が全国に広がっています。
 雇用の問題は、失業率が5.3%といっているけど、実際は10%を超えているはずです。今年の大卒者が7割、高卒者が6割の就職率です。若い世代の3割から4割の人が就職に就くことができないのです。こんな厳しい状況で人生の出発をする若い世代。そして、中高年齢層の人たちは住宅ローンや教育ローンに苦しんでいます。
 人口に対する預金額0の割合は、21%にものぼり、これは昭和32年頃の数字です。
 今、現在は1400兆円の金融資産を取り崩して、国民は生活しているので、不満が表面化しないで、「改革」という言葉に期待をしているけれど、実際はかなり大変な状態です。
 この現状を切り崩すためには、輸出だけに頼るのではなく、国内の需要を増やすことを考えなければなりません。日本は世界大2位の経済大国ですよ。1400兆円の金を食いつぶすのではなく、国内を活性化し、内需拡大のために前向きな投資をしていく必要があるのです。
 引き金はいろいろあります。公共事業だって、日本は地震国ですから、防災面などまだまだ、やらなければいけないことはたくさんあります。
 外国に比べて地方の都市整備もまだ行き届いていない部分も多々あります。
 例えば、電線を埋めて光ファイバーを通し、エレクトロニクス革命を同時にやっていけばいいんです。そうすることで、日本は便利できれいで安全な国になります。「社会資本整備をすると、借金が増えて大変だ。」とバカみたいな思い込みをしている人がいるけれど、それは違います。
 今年度の国債発行額は、36兆円ですが、建設国債なんて7兆円くらいでしょう。公共事業をやるから国債残高が増えるということではないのです。ほとんどは赤字国債なんです。
 公共事業で、雇用の促進につなげることもできます。世の中には働けるのに、仕事がなくて生活保護を受けている人たちがいます。生活保護をもらいながら、朝の9時からパチンコ屋に並んでいる人たちもいます。そういう人たちに支払うお金を含めた福祉予算が1兆円です。本当は困っている人にとっては、生きたお金となりますが、働けるのに働ける場所がなくて、その分のお金を払うのでは、生きたお金とは言えません。
 失業保険は、もちろんきちんとあげるのですが、仕事をしないでお金を出すよりも、働いてもらって給料出すことの方がよっぽどいいじゃないですか?それをきちっとしていかないと国は滅びます。日本は今、その分かれ目に立っています。一部の大企業がリストラで黒字を出しているだけで、99.7%の中小零細企業は惨憺たる状況です。そいう状況をマスコミなどがきちっと書かないので、みなさんも「良くなっているかなぁ」と希望をつないで文句を言いませんが、大変な状況だと私は捉えています。

内需拡大のために前向きな投資を


---その中で進められている地方自治や分権の問題はどのような方向へ向かっていくとお考えですか?


亀井 権限を委譲するならば、財源をつけなければならないでしょう。権限だけを渡すのでは無責任です。財源をどうするかが問題です。そこを突き詰めていくと、税収をあげられないところには権限は与えられないということになります。
 税収の上がらない市町村をどうするか、きちっと手当てをして権限委譲をやっていないとダメですね。

---「改革」という言葉が先行してパフォーマンスだけが目につきます。高齢化社会をふまえて、それにふさわしい実態が見えてくるような政治を期待するのですが。


亀井 消費者も福祉税としてきちんとした名目をはっきりすれば誰も反対しませんよ。「自分たちの老後安定のためのものだ」と言うことであればみんな納得しますよ。

---戦後の日本を建て直してきた60?70代の人が希望を持てるような政策ですね。


亀井 若い人だってそうです。一生懸命、働けるようにしてあげなければなりません。学校を出てフリーターではダメです。アメリカが1つの例ですが、一部の強者が強くなり、残りの弱者にしわ寄せが行き、歪みが生じて犯罪を生み出すような社会にもなりうるのです。

---勝ち組と負け組みの社会は、治安の不安定につながるのですね。


亀井 弱い者が強くなっていけるような政治をやらなくてはなりません。


拉致問題解決のためにも防衛体制をきちんとやる


---拉致の問題については?


亀井 私は北朝鮮が保持している「ノドン」に対して、防衛庁長官に何度も「対策をとれ!」と言っているんです。「逐次やります」という返事ですが「逐次じゃない。すぐやれ!」と言ってます。北海道から沖縄までその体制をきちんとしておくと、怖くないのです。
 それをしないで、アメリカの核に依存して『ケンカの強いガキ大将に頼っていればいいんだ』というようなことをしているから、舐められてしまうのです。
 拉致問題に関しては、北朝鮮に脅えないで、経済的な制裁をする。そいうことをしないとダメですね。極悪非道なことをしてきたわけですから、北朝鮮は話し合いだけではうまくいきません。きっと被害者は、あの5人の方だけではないはずです。それ以上の犠牲者がいます。その人たちを1人でも多く救出することを考えなければなりません。

---新潟は環日本海の中でどいう役割を?


亀井 韓国、中国、ロシアにとって玄関にあたるわけですから、それらの国との交流の中核的な基地となるような社会資本整備をしていくべきです。それには、栗原博久とか吉田六左ェ門を落として、女議員ばかり出しているようじゃダメだな。女性が悪いと言っているわけではないですよ。誤解のないようにお願いしますよ。

 超過密スケジュールの中、タイムリミットの時間を超えて拉致問題について語ってくれた亀井氏。「時間だから」と切り捨てることなく「新潟」という「場」への配慮を優先させた亀井氏の人間味に触れることができたインタビューでした。(高)

亀井静香氏をもっと知りたくなったら

『月刊亀井静香』 アスコム刊 1,000円
『繁栄のシナリオ-美しく強い日本を作るために』 扶桑社 1,500円
『死刑廃止論』 花伝社刊 800円
『政界大迷走 亀井静香』 大下英治 徳間文庫刊 571円
『永田町ビックバンの仕掛人』 大下英治 小学館文庫刊 638円

※無断転載を禁ず


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