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2004.10.22◎公報掲載
衆議院永年勤続表彰受賞に対しての謝辞

 この度私の衆議院議員25年の永年勤続に対し院議を以て表彰を頂き、関係各位に心より御礼申し上げます。

 私は至らない者でありますが、今日まで何時も我が信念を貫き、躊躇することなく政治活動をして参ることが出来ました。これは偏に初出馬以来私を支え、叱咤激励しながらお育て下さいました郷土の皆様、友人のご加護、そして諸先輩及び同僚議員の深いご理解とご指導の賜であります。政治家としてこの上ない冥利に尽きるとここに改めて心からの感謝を捧げ、御礼申し上げます。

 私は昭和11年、原爆投下のあった広島県に生まれました。父は役人であった為原爆投下直後に被災者救済にあたり、被爆者手帳の所持者でした。姉は白血球の減少する病で、早くに亡くなりました。子供心に遠くでピカッと光った直後に大きなキノコ雲があがり、多くの人々がボロボロになって逃げてきた光景を今でも忘れることが出来ません。また、祖国、愛する人を守る為に身命を賭した先人達に想いを馳せ、あらゆる命を尊び、戦争を防ぐこと、平和を守り継承することが政治の最大の責任であるとの思いで政治家を志しました。

 現在の日本は一応平和を保っておりますが、日本近世史に於いても幕末・大正・昭和初期に匹敵する大きな曲がり角に直面しているのではないかと思います。市場原理万能、競争原理至上、こうした空気が日本の社会を覆ってしまった結果、日本経済の空洞化は残念ながら着実に進んでいる今日であります。中小企業・零細企業・商店は日に日に追い詰められ、地方、農村、漁村は厳しい状況であります。こうした状況を今後政治が許して良いのか。国民も又そういう政治を許すのか。

 この地球は銀河系の中の小さな惑星にしか過ぎませんが、人類にとっては掛け替えのない住みかです。20世紀は科学技術が飛躍的に発達して我々の生活は極端に便利になりました。一方では革命と戦乱の世紀でもありました。この21世紀が人類にとってどのような世紀になっていくのか。あらゆる民族、国家がそれぞれの場で必死になって生きている中を、強者の論理だけ貫徹していって本当に大丈夫なんだろうか。地球の果て、砂漠や密林の中に於いても、生きとし生けるものは我々人類の掛け替えのない同胞であります。それぞれの地域で進んだところもあれば、遅れているところもある。そういう人達に先進国がきっちりと配慮しながら、この掛け替えのない住みかで皆がどうやったら幸せになってゆけるのであろうか。今や世界全体が大きな曲がり角にきているのではないかと思います。

 内外とも極めて厳しい状況の中、日本国の目指すべき国家像、社会像は芸術と文化、そして産業が融合したものであり、我々日本人の持っていた美しい魂を、又たおやかな気持ちをどう取り戻していくのか「友の憂いに我は泣き、我が喜びに友は舞う」という共生の社会を創り得るのかどうか、正に正念場であります。

 私はこの国に生まれて良かったと思える国家を形成する為、先輩、同僚議員の方々と共に一層のご指導、お力を賜りながら如何なる困難にも負けず必死の覚悟で今後も頑張っていく所存でございます。 更なる精進をお誓い申し上げ、謝辞と致します。

10月22日 亀井静香

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