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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2005.4.26◎スポーツニッポン
岩見隆夫の永田町曼荼羅
“反小泉”亀井「日本は消える」

 34年も前、青島幸男参議員(当時・元東京都知事)が参院予算案で、佐藤栄作首相を指し、
「総理、あなたは財界の男メカケ...」
 と言い放ったのは、議会史に残る毒舌だが、首相誹謗(ひぼう)のあれこれはときの政情を反映していて、興味深い。最近では、福岡2区の衆院補選の応援演説で、田中真紀子もと外相が、
「干物のような」
 などと小泉純一郎をこきおろしたが、これはテレビ中継されたから周知のこと。反小泉の亀井静香元調整会長も、
「長くて(残り任期が)1年半の末期がん患者に好き勝手やられて、ひるんでいる姿を見せた場合、一年半後にどんな厚化粧をしたところで、国民は見向きもしてくれない」(3月3日、亀井派総会で)
 と相当の得説ぶりだが、これも一部で小さく報道された。
 だが、次の亀井による憂国発言は広く伝えられることはなさそうなので、紹介しておきたい。「月刊日本」5月号に掲載された政治評論家、中村慶一郎によるインタビューである。亀井はそのなかで、
「4年前に誕生した小泉政権は、ブッシュ大統領の具体的要請を丸受けして、やってはならないことを次々に実行してきた。その結果、日本国が崩壊し始めている。
 それにもかかわらず、いまだに国民の支持率は40数%もある。このまま小泉政権が継続すれば、この日本国は地上から消え失(う)せてしまうのではないかと、私は心配し、危機感を持っている」
 と語り、さらに、
「いまの日本の現状はアメリカの51番目の州に近い存在だ。実際に51番目の州に組み込まれているなら利害も共有できる。しかし、現状は単にアメリカにうまく利用され、安全保障問題でも経済問題でも、アメリカの世界戦略に一方的に奉仕させられているだけだと私は考えている」
 と。党3役もつとめ、運輸相、建設層などを歴任した実力者が、これほど厳しく政権非難をした前例は多分ない。小泉個人についても、「党内で慎重論の高まっている郵政民営化について、<奇跡を起こす>と発言した。これは予言者のような発言で、政治家の言葉ではない。また、<勘で政治をやっている>とも言っている。私は小泉首相の精神状態に危惧(きぐ)を感じている。郵政民営化は、最終的に国を売り渡すことだ」
 と厳しい。小泉首相は衆院統一補選に2勝したことではずみをつけ、郵政政治を強行突破して、来年9月に任期いっぱいを完投する強気の構えて、抵抗が強ければ解散に動く気配だが、亀井は、
「憲政の常道に反することをしたらいけない。解散はできないし、すべきでない。与党の反乱で敗れたら、与党の総裁たりえないのだから身を引くのは当然だ。われわれも思い切った対応を取らねばならない」
 と退陣を求めている。
 小泉VS亀井の因縁の対決。次第に抜き差しならない雲行きになってきた。亀井、68歳の踏ん張りである。

※無断転載を禁ず


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