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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2005.6.6◎毎日新聞朝刊 平成17年6月6日(月)
討論 首相の靖国参拝

 小泉純一郎首相は今年も靖国神社を参拝すべきかどうかーー。戦後60年の節目に中学や韓国で参拝中止要求が高まり、日本国内でも議論が盛り上がってきた。首相の靖国参拝と近隣諸国との友好関係を両立させる道はあるのか。A級戦犯扱いをどうすべきか。首相の個人的信条を超えて問題は広がっている。


姿勢を堅持すべきだ


分祀論間違っている

 歴史認識をめぐる中国の主張は、間違っている。日中戦争だけで被害を受けた中国が日本を非難するのは当然だし、日本にも米英帝国主義勢力の猿まねをして、対中国政策を間違えた責任はある。ただ「日本が一方的に悪い」という前提に立つ中国の歴史認識は認められない。中国が日本を批判するなら、アヘン戦争で植民地政策をとった英国に、日本の100万分の1でも抗議してみろと言いたい。
 小泉純一郎首相は靖国神社に参拝すべきだ。国民を代表し、国家のために殉じてきた英霊を、感謝の誠を込めて慰霊するのは当然だ。中国は国家戦略として日本に圧力をかけている。
 中国から文句をつけられずに首相が靖国神社を参拝する環境を整備するために、A級戦犯を分(ぶん)しするという議論があるが、そんなことをしたら恐れ多くも「天皇陛下の戦争責任はどうだ」という声が上がる。陛下が責任を取る必要はない。しかし分(ぶん)しを認めた場合、そういうところまで行く。信教の自由に土足で入るようなことはすべきではない。
 ただ、国と国とは引っ越しできないから、外交上の配慮をどうするか考えるのが靖国問題だ。例えば、窓を開けて好きな浪花節を大声で歌う権利はあっても、隣にそれを聞いただけで身の毛もよだつという無理解な人が住んでいたら、小さい声で歌うとかせざるを得ない。中国が我々の気持ちを認めずに、日中関係をぐちゃぐちゃにするなら、配慮を視野に置いていい。
 まず首相が中国の指導者ときちんと意見交換すべきだ。そのうえで靖国神社をお参りするのは当然だけども、中国の人たちが理解が得られるまで控えよう。しかし、そちらも反日教育をやめてくれ、という選択肢だってある。中国が現実と違う史実を作り上げて反日教育を徹底していることに対して、日本から要求が少ない。浪花節もいいんだよと言うのと同じように、粘り強く日本の立場を理解してもらうよう努力していくことも必要だ。
 そもそも日本が独立国家としての威厳と誇りを持っていないから、だめになった。「今の日本には何をやっても構わん」という雰囲気を作っている。他国から軽んじられないような外交を積み重ねていくことが大事だ。

※無断転載を禁ず


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