活動実績

新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2005.7.29◎週刊ポスト
「反乱軍」重鎮を連続直撃!
総大将亀井静香
「もはや小泉首相に援軍はなし」
「解散暗闘」クライマックス

小泉首相はおかしい


小泉政権下の4年間、“抵抗勢力”のレッテルを貼られてきた亀井静香は、「ヒトラーでもやらなかった圧政を強いてきた小泉首相に抵抗勢力と呼ばれ続けたことは名誉だ」と語る。強硬姿勢を崩さない小泉首相とどのように戦うつもりなのか。亀井氏ほか反乱軍の重鎮たちを直撃したーー。

「武部、山崎拓も処分すべし」

 反乱軍の指導者、亀井静香氏は勝利を確信した表情で語り始めた。
「小泉内閣はもはや地平線に沈みかけた太陽です。小泉さんの4年間の政治は、構造改革という名で市場原理至上主義、つまり弱肉強食の社会をつくろうとした。グローバリゼーションの掛け声で日本は外資に制圧されつつある。その集大成が国民の郵貯、簡保の345兆円をアメリカにいわれるままに渡そうという郵政民営化です。最初から政策が間違っている。だから私は総裁選に立候補したが、小泉さんに敗れた。今回は負けるわけにはいかない」


---民営化法案は衆院で5票差の可決となった。


 「公の場で最後まで反対といっていた5人の議員が泣く泣く賛成した。本来ならそのまま否決されていたはずです。選挙地盤のしっかりしていない議員は“否決したら総理は間違いなく解散するその時にはお前は公認しない。別の候補者を立てる”と具体的な名前まで出して圧力をかけられた。反対派を恫喝で切り崩し、議会制民主主義を無視した独裁政治で国民のためにならない政策をやろうとしている小泉さんに、マスコミも政治家も『さようでございます』といってこれまで反対の声をあげようともしなかった。大東亜戦争中の政府と議会、マスコミと世論の関係を思い出させる。今回も国民はまだ郵政民営化の中身についての判断ではなく、残念ながら法案が成立するかどうかの攻防戦のみに関心がある。このままでは日本が滅びます」


---参院で否決すれば小泉政治にストップがかかる。


 「小泉さんは参院の審議が始まる前から、サミットの列国が集まる場で、否決されたら衆院解散とお門違いのことをいう。常軌を逸しているし、逆に、参院はいらないではないかと反発を買った。参院の反対派は結束が固い。法案の中身もさりながら、これは青木さんの人徳をもってしても、賛成に回らせることはできない。否決です」


---そうなれば自民党が真っ二つに割れる。


 「小泉さんが、“私の誤りだった。議会制民主主義のルールを破った。勘弁してほしい”と謙虚に反省し“郵政民営化だけが政治ではない。国民が望む景気対策や安全保障、外交、年金など社会保障改革の政策を残り1年で全力でやりたい”といえば別だ。そうでない限り、党則の2分の1条項によるリコールが発動されていくという、小泉さんにとって非常に劣勢な状況になると思う」


---小泉首相はその時は解散を打ち、執行部も造反者を除名処分にして、対立候補を立てるといっている。


 「採決では党議拘束がかってなかったから、禁を犯したとは考えていない。それでも処分というなら、武部幹事長はどうか。“加藤の乱”の時に内閣不信任案の採決に欠席した。同調したも同じでしょう。本人も山崎拓も含めてあの時の関係者を全員除名したうえで、私たちを党規委員会にかければいい。自分には甘く、他人には厳しくやるんですか。公平に処分すべきだ」


---解散になれば分裂選挙は避けられない。


 「解散するという小泉さんについていくのは武部と山拓の2人ぐらい。自民党の国会議員は狂乱した小泉を支持しない。民営化反対派に対立候補を立てて分裂選挙なんて空想の世界でしょ。ま、議会を無視する人だから、何をおやりになるのかわからないが、そんなことをしても負けるのは小泉さんのほうです」

民主党との連立もありうる

 小泉首相の解散説を一笑に付してみせた亀井氏だが、民営化反対派内部では、そうした事態を想定して新会派→新党結成で対抗する準備も進められている。亀井氏自身、石原慎太郎・東京都知事に接触して《石原・亀井・綿貫新党》の構想を描いているという情報も入手した。


---新党結成するのか。


 「分裂になれば、自民党を出るのは、小泉さんと武部、山拓の方になる。ついて行く者は落選する」


---あなたの盟友である平沼前経産相は除名された時は真の自民党として自分たちが立つと断言している。


 「政治信念としては、私も綿貫さんも、藤井さんもみんな立つべき時は(新自民党で)立つという気持ちはある。ただし、除名される前に、私は小泉さんに刀を抜きますよ」


---石原都知事も参加する?


 「一緒に飲んだり電話したり、彼とは今までもずっと連絡をとってきた。乃公(だいこう)出ずんば、という思いはあると思うが、私から出ろとか出るなとかいえる相手ではありません」


---分裂選挙になれば反乱軍は不利だろう。


 「そんなことはない。小泉さんは落選するかもしれない。あとの者も、国民の審判だからどうなるかはわからないが、自民党ブランド力はそれほど高くない。若手の中には無所属で当選してきた者もいる。自民党公認があれば黙って当選できる時代じゃないだろう」


---そうなった時に、新党が民主党と連立を組むという選択肢は考えているか。

 「政策の一致が前提となる。自社さ政権(村山内閣)をつくった時も、私はずいぶん批判されたが、日米安保支持など全部政策を合意してから連立した。数合わせで政権はつくれない。理念を含めて政策が一致し、日本のためになる政治をやるというならどんな選択肢もありうる」


---国民から見れば、どちらも権力争いの“数合わせ”をしているように映る。


 「小泉さんは解散などしている時ではない。イギリスでテロが起きた。日本でも当然ある。アルカイダはわが国に予告していますよ。イラクに自衛隊を派遣しているから。イギリスがやられて日本だけ見逃してもらえるわけがない。サマワの自衛隊宿営地にもロケット砲がぶち込まれているでしょう。それなのに、私は新幹線で地元に入っているが、車内に警備員は一人もいない。機動隊員など余っているんだから、ロンドンで起きたらすぐに日本でも列車や飛行機を警備させることをなぜしないのか。テロを防ぐのがどんなに難しいかわかっていない。総理大臣は日本国民、イラクの自衛隊の命をどう守るかもっと緊張感をもたなければならない。アメリカとも協議しなきゃいけない。国民が望んでいない郵政民営化が思うようにいかないからといって、解散して政治空白をつくる時なのか。もし、本当に解散したら小泉さんは末代まで悪宰相の名を残す」
 最後に小泉首相をリコールして自民党総裁選になった場合、亀井氏自身が出馬するかという質問をぶつけた。
 「自民党には小泉首相の政治手法、経済や外交政策を含めて“いかん”という人がたくさんいる。コップの中で喧嘩をしないで、反小泉の体制がキチンとできるなら、話合いで選んだ人を私が担いでもかまわない。みなさんが小泉と対峙してきたのは亀井だから立てというなら、私は総理になる。私の選択肢はこの4年で日本を間違った方向に進ませた小泉政治をどう正すかであって、己の権勢欲から天下を取りたいと思っているわけではない」

※無断転載を禁ず


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