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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2006.5.10◎ミスター・パートナー
第2回目
政治と暮らしー時代と闘う肉弾の人ー

企画・構成/本誌編集部
聞き手/井形慶子


亀井静香
今度生まれかわったらヨン様になりたい
家内がハマったからね


歯に衣着せぬ発言で反小泉を宣言し、庶民重視・地方重視の政治姿勢を貫き強烈なカリスマ性を放つ亀井静香議員。実は油絵の達人で、好物はシュークリームという繊細でキュートな一面も持った実に人間的な方である。そもそもコワモテのイメージと“静香”という美しすぎる名前からして、「ギャップの人」なのだ。ときにマジメに、最後は抱腹絶倒のスペシャル対談。ベテラン政治家の本音溢れるトーク、しかと読んでいただきたい。

好物のシュークリームとホリエモンとの戦い

井形 今日は亀井さんにお会いするのを楽しみにしていました。
亀井 いやいや。私も井形さんのお名前は前から聞いていましたからね。
井形 そうですか!ありがとうございます。実は、私たちにとって政治家というのは遠い存在ですが、実際にどんな生活感覚を持ってらっしゃるのかを探るシリーズなんです。で、亀井さんは今朝、何を食べてこられましたか?
亀井 んー。今朝はねぇ・・・・・・シュークリームとコーヒーですね。
井形 シュークリームですか!?(笑)。亀井さん、学生時代に家庭教師をされていたとき、生徒の家で初めてシュークリームを食べたとか?
亀井 そう、とにかくね、この世の中にこんなに美味しいものがあるのかと思って、びっくりしました。
井形 それまでシュークリームって食べたことなかったんですか?
亀井 食べたことない。だから、皆さんが時々シュークリームを送ってくれるんですよ(笑)。
井形 ところで私、亀井さんみたいな忙しい方の一日のスケジュールってどうなってるんだろうって前から思ってましたが。
亀井 んー。1日のスケジュールってね、自分で決める部分もありますが、だいたい、秘書の管理下にありますね。
井形 そうなんですか。朝何時に起きるとかも?
亀井 それは日によって(前の日が)遅い時には遅く起きるし、早い時には目をこすりながらでも不機嫌に起きてきますしね(笑)。私はだいたい、朝が弱いから(笑)。
井形 (笑)そうすると、10時頃まで寝てることもあると?
亀井 ありますよ。朝5時に起きることもあるしね。
井形 そうなんですか。じゃあ、夜は何時頃お休みになるんですか?
亀井 これもねぇ、もう、日によって全然違いますよね。深夜デートしてるわけじゃないけど、夜遅くなることもあるし(笑)。
井形 そうなんですか(笑)。
亀井 だって、政治家というのはいろんな仕事してる方々の生活をどうするかという責任がある。そういう意味では、いろんな方にお会いします。それはサラリーマンの方のような定型化された中での変化というのじゃなくてね、何が起きるかわからないんです。それが政治の世界ですから。こないだなんかは、小泉さんにスパーッとクビ切られちゃったわけでしょ?(笑)。
井形 そうですね(笑)
亀井 それでねぇ、やらなくてもいい選挙やらされちゃった(笑)。
井形 大変でしたね。ずぶ濡れになって、最後の力を振り絞って、選挙区を歩いておられる亀井さんの映像って、まだ私の脳裏にこびりついていますよ。
亀井 たまたまね、街頭演説してたらね、台風が来ちゃった。あそこはね、中国山脈の真ん中のちっちゃな町ですけどね、ザーッと降ってきて、傘よこせってわけいかないでしょ。
井形 ええ、ええ。
亀井 だから、そのまま演説した。今度は国民新党を作ったんで原点に戻る。いままでは自民党の候補者としてやってきたけれども、最初の選挙に戻りますって。
井形 新たな出発ですね。
亀井 そう。新党を作ったんでね。なぜ今までの政治がダメだったのかということを、私は一番最初っからやろうと思った。
 そしたら一人ひとりの人がバックアップしてくれた。最初に当選したときの・・・・・・県会議員、市会議員・・・・・・関係ない人たちがね。
 もうちょっと行けば島根県という小さな町のお百姓さんだとか、主婦の方とかも含めて、いろんな方が必死になって応援してくれて、私は、奇跡の当選をした。本心はその人たちにお会いして、なぜ国民新党なのか、ということを訴えたかった。別に、ホリエモンさんが来たから泡くってかけずり回った、というのとは違います。
井形 そうすると、ホリエモンに対する対抗意識よりも、新しい党を作って、それを分かってほしいという気持ちが強かったんですね。
亀井 そう。わたしはね、ホリエモンさんが私への刺客と決められたときにね、「あ、勝った」と思ったね。
井形 なぜですか?
亀井 だって、小泉政治の象徴としてホリエモンさんを私に送るということは、小泉さんの考え方なわけでしょ。
 彼は天皇制反対、公的年金もいらない、女性の心は金で買えるといった本まで出してるわけで。
井形 亀井さんは女性の心は金で買えると・・・・・・?
亀井 買えるわけないじゃないですか!それだったら、まず結婚できてないでしょう?
井形 奥様と(笑)。
亀井 そう。そういう人を私に対する刺客として送ってくる。ということは、私にとっては、やりやすい。私と逆だから。
静香という美しい名前、好きです
美少女「静香」に会える!期待した兄の友達は駅で私を見て絶句した

井形 今日、ぜひ聞きたかったのは、「静香」っていうきれいな名前の由来です。
亀井 それは・・・・・・簡単よ。生まれたときに荒川静香さんみたいにさ、かわいくてきれいだったのよ(笑)。
井形 ええ?亀井さんが?
亀井 だから、静香ってつけたんですよ(笑)。
井形 (笑)それはどなたがつけたんですか?
亀井 誰かよく分からない。お袋が「静枝」だからね、その「静」をとって「香」をくっつけちゃったんじゃないの。
井形 なるほどねぇ。でも静香って女性の名前で、すごい美人が多いですよねぇ!
亀井 そう! 男性は男前だしね(笑)。そういえば、あんまりいないなぁ。男で静香っていうのは(笑)。
井形 そうですね。女性に間違われたことってないですか?
亀井 あるある。私が初当選して、鳥取の大山(だいせん)ゴルフ場に兄と一緒にゴルフに行ったとき。
井形 ゴルフ場で?
亀井 そう。めんどうくさいからクラブも持って行かなかった。レンタルで注文して。それでティーグラウンドに行ったらね、レディースクラブなのよ(笑)。
井形 (笑)それで?
亀井 亀井郁夫という兄貴の名前で申し込んだから、ゴルフ場側は夫婦だと思っちゃったみたいでね。それで、女性用のレンタル(クラブ)を用意してたと(笑)。
井形 それで、文句言いに行ったんですか?『俺が亀井静香だ』って(笑)。
亀井 ええ(笑)。あとね、私が修道高校を放校処分になって、東京に出てきたときにね、東京駅に兄貴が迎えに来てくれた。こっちは「今行くよ」ってポーンと電報打って出て行ったわけ・・・・・・。そしたら、兄のそばに学生が立ってて彼が「なぁんだ」って俺の顔を見て言う。彼は今の若林正俊議員。だけど、兄貴の友達だったのよ。後で聞いたら、兄貴が彼に「今日、静香が来る」って言ったらしいんだ。
井形 ええ(笑)。
亀井 しかも、兄貴は石坂浩二に似てると言われ男前だった。今はちょっとカバみたいなおかしな顔になってるけどね(笑)。その兄が「静香が来る」って言うもんだから、友人らは、こりゃ美少女が来ると期待した・・・・・・(笑)。
井形 すごい設定ですね(笑)。
亀井 それで東京駅までくっついてきて、見たら男の子でしょ。男の子だからさ、なぁんだとがっかりしたらしいんだよね(笑)。「何だとは何だ!」と思ったよ。
井形 あはははは! 怖いですね(笑)。で、亀井さんはこのお名前好きですか?
亀井 好きですよ。
井形 ほんとにきれいなお名前ですよね。
亀井 しかも、今は荒川静香さん、工藤静香さんと同じだし。
井形 そうですよ。トリプル静香ですよ。・・・・・・やっぱり、すごいイメージですが(笑)。
基本は相性がいいこと うちは普通の夫婦とは違う
警察は社会が作るゴミを掃除する役
でも、ゴミを出さないような社会を作るには政治家になるしかない

井形 ところで亀井さん、次に生まれかわるとしたら誰になりたいですか? この中から1つ決めて欲しいんですが。
亀井 うん。
井形 ・・・1番・ヨン様。2番・エリザベス女王。3番・カルロス・ゴーン。4番・三輪明宏。この中だったら?
亀井 (笑)。ヨン様さ。
井形 ヨン様!?うそ(笑)。理由はなんですか?
亀井 4人の中ではヨン様さ。
井形 (笑)やっぱり、おばちゃまたちにギャーッと言われて追いかけられたいって願望あります?
亀井 んー。モテないからね。
井形 いやー、そんなことないでしょう。
亀井 だって、俺の女房までね、韓流ドラマにハマっちゃってんだもん。
井形 そうなんですか。
亀井 うん・・・・・・。
井形 奥様もヨン様がお好きなんですか?
亀井 そうなんだろ。せめて家内の愛をね、つなぎ止めておきたい・・・・・・というわけでもないけれど(笑)。
井形 なるほど(笑)。だけど、亀井さんは奥様と年に2、3回ぐらいしかお食事一緒にできないとお聞きしましたが。
亀井 そう。そんな程度だね。会うことも少ない。秘書頭みたいなものだから、電話では毎日話すけれど、食事をすることなんかは滅多にない。
井形 じゃあ、お電話ではどんなお話をされるんですか?
亀井 ほとんど仕事の話。地元の選挙区でどう対処したらいいかという、そういう話。自分で判断ができないことは聞いてくる。
井形 そうすると、奥様は運命共同体であり、秘書でもあるんですか?
亀井 そうそう。
井形 二人三脚で政治をやってらっしゃるっていう感じですね。
亀井 まぁねぇ。普通の家庭の夫婦関係とは違いますよ。
井形 どこが一番違いますか?
亀井 色恋とかね、家庭を二人で守っていくとか、子供たちをどうしようかとかね、そういうことよりも、私自身が地元をどうするか、日本全体をどうするか、そういうことへの関心が頭の中のほとんどを占めているわけですから、夫婦の会話も、結局そんな内容になっちゃうんですよ。
井形 だいたい、一回のお電話でどのくらいお話されるんですか?
亀井 まぁ、私はパッと言っちゃう方だからね、そんなに長くはかかりませんよ、数分といったところで、一日何回も電話しますよ。だけど、さっきも言ったように顔を見ることはそんなにない。家内も助かってるんじゃないの、こんな顔見なくて済むんだから(笑)。
井形 でも、お子様もいらっしゃいますし(笑)。
亀井 だからねぇ、子供は可哀想だね。遊園地に一緒に遊びに行ったとか、そんな思い出はないでしょう。
井形 なるほどね。でもそんな中で、どうやってご家族の絆を作っていらっしゃるか、ものすごくお忙しい中で、たぶんピンポイントでいろんな心づかいされてらっしゃると思うんですが、ひとつだけ秘訣を教えてください。
亀井 んー。秘訣っていうほどのことはないんでねぇ・・・・・・私はいい加減だからね。子供から見たらね、ひどい父親だと思ってると思いますよ。ただ、嬉しかったことはね、娘があの選挙で地元に応援に来てくれたんだ。終わってから食事をごちそうした時ね、「お父さん、今度の選挙ほど誇りを持ってやれたことはなかった」と言ってくれたんですよ。・・・・・・嬉しかったねえ。
井形 よかったですね。
亀井 だからね、子どもとも、どこかで心は通じてるんですよね。
井形 それはきっと、会っても会わなくても、亀井さんの真剣さというのを奥様もお子さんたちも見てらっしゃるからでしょうね。
亀井 うん。しょうがない親父だけどね、もう政治家になったんだから、助けなきゃいかんと思ってるんでしょう。昔、警察官だった頃、官舎を朝出るときに「今日でもう辞めるよ」って女房に言ったらね、「どうすんの」って聞かれた。「選挙に出るんだよ」って言ったら、きょとーんとした顔をしてたのを今でも覚えてます。
井形 驚かれたんでしょうね。
亀井 あとからね、「警察官の女房になったと思ったのに騙された!」と言われたもんですからね、「あの時、出がけに言ったじゃないか」って言ったらね、「そうは言っても、きっと誰かが止めてくれると思ってた」って(笑)。
井形 亀井さんは、思いたったら絶対動く人ですからね。
亀井 そうだね。思うに、どこの家庭の夫婦も基本的にはね、ウマが合ってるかどうかが大切だと思うよ。
井形 と言うと?
亀井 いちいちお互いのテクニックを使って、お互いの愛を高めるだとかになると難しいよね。私は(夫婦って)ダメな場合は、さっさと別れたらいいと思うから。
井形 なるほど。
亀井 お互いにウマも合わない、死ぬような努力をしないと波長が合わないのであれば、限られた一生を一緒にいても、惨めだと思いますよ。
攻撃は苦にならない
ストレスに弱い人は
政治家に向かないよ

井形 ところで、さきほどちょっと出たんですけれども、政治家って私たちが考えている以上に人間関係のストレスがありますよね。数の論理で動くところもありますし。亀井さんは、すごくストレスがかかった日や精神的に疲れたとき、どうやって発散しているんですか? たとえば、記者からしつこく突っ込み入れられたり、国会でやられたり、いろいろあるじゃないですか。
亀井 いや、僕は、そういうことはそんなに苦にならないから。
井形 めちゃくちゃ反論されても苦にならない?
亀井 うん。それよりも、逆に自分の言動で人にうんとストレス与えてんじゃないかと、ときどき反省してるぐらい。脳天気だね。
井形 窮地に追い込まれても?
亀井 うん。
井形 本当ですか?
亀井 あのね、政治家というのはね、血が逆流する思いを楽しむぐらいの気持ちがないとやれないんだ。だって、国全体をどうしていくかってことを考える役目でしょう? それなのに、いちいち周りを気にしてたら前向きには取り組めないですよ。
井形 確かにそうですが・・・・・・。
亀井 簡単に言うとね、政治の世界は、槍襖(やりぶすま)の中で生活しているみたいなもんです。それなのに、いちいち槍で突かれたりとか、刀で斬りつけられたとか言ってられない。やってはいかん選挙をやられたこともそうです。そんなことをいちいち苦にしていたら(政治家は)やれませんよ。
井形 じゃあ、精神力の強い人じゃないとプロの政治家にはなれないと?
亀井 そう。精神力が弱くて、ただバッヂだけ付けたい小泉チルドレンみたいなのはね、国会議員であったって、国のため、国民のために体を張った政治をやるなんてことはできないと思いますよ。
井形 そうですね。政治家は精神力ですね。亀井さんは政治家を辞めたいと思ったこと、ないんですか?
亀井 ありますよ。もちろん。
井形 どんなときですか? もう辞めたいな、向かないんじゃないかなと思ったのは・・・・・・。
亀井 やっぱりね、なかなか自分の意志を理解されないという時ですね。
井形 それは国民にですか、それとも周りの政治家たちにですか。
亀井 国民にです。なぜ伝わらないんだろう。それは自分の努力が足らないということなんだけれども・・・・・・「やんなっちゃったな」と思うことは、ありますよ。しかしね、実際そういうわけにはいかない。そう考え直してまたやるんだよね。なかなか自分の思うように進んでいかないじれったさから、時々、「やーめた」という気になるけどね(笑)。
交響楽団に予算をつけた文化こそ日本の力になるから

小泉政治は人間を道具扱いした
ホリエモンは時代の問題です

井形 亀井さんが年頭のご挨拶をネットでなさってましたけど、このなかで「いま日本では文化の死滅が起きている。芸術、文化、産業が融合した社会でなければ、健全な社会とはいえません」とおしゃってましたね。
亀井 そう思いますよ。
井形 その対極にあるのが堀江さんが象徴する拝金主義だと思うんですけれど。実は、亀井さん油絵も描いていらっしゃって・・・・・・。
亀井 ヘタな絵ね(笑)。殴り書きだよ。
井形 いやいや。個展もなさってて(笑)。そんな亀井さんが言われる通り、日本って今、文化力が落ちて拝金主義が注目されてます。これについてどうお考えでしょうか?
亀井 これはね、井形さんが指摘されたように、今の日本は、日本じゃなくなってるのよ。日本人というのはね、お互いに助け合いながら、みんなで幸せになっていこうという文化を持っていた。だから、たおやかなんだね。平安朝にしたって奈良朝にしたって、男女関係にしたって、すべてがそうだよね。お互いに許し合いながら生きていこうとする。それが今のようにね、他人は敵と思え、競争相手と思えとなればどうか。いまは女房がダンナに対してもそう思い始めちゃってんだからね。
井形 家族も殺伐としてますね。
亀井 だから、やっぱり人間の心なんです。まさに芸術・文化というのは人間の心を表していくことでしょ?
井形 そうですね。
亀井 そういう力がね、今みたいに極端になくなってくるということが、私は問題だと思いますよ。だって道路ひとつ作るっていったら、何十億ってかかりますよ? そのカネを文化に振り分けていったら大変な文化伸張になります。
 私が政調会長やってた時に、文化庁から予算要求あったわけでもないのに、『もうちょっと文化の補助金出せよ』と言った。文化庁への予算として2500億円を主張した。それまで一千億円に届かなかった。それに予算をつけた。たとえば群馬交響楽団とか、広島交響楽団とか、日本には交響楽団が18ぐらいあるでしょう。でも一流のバイオリン弾きが食べていけないからって、奥さんを働かせながらクラシックやってるの。
井形 そうですね。日本は文化にお金をかけない。
亀井 だから私がね、財務省・・・・・・当時の大蔵省に対して、各楽団に条件つけずに年間で1億円ずつ予算をつけた。
井形 すごい!
亀井 補助金を出しなさいと言って、どの交響楽団も年間1億円が文部省から配布され、それが今もずーっと続いてますよ。彼らにはわずかの金だけど、どれだけ助かっているか。たとえばね、ウィーンフィルなんか日本にやってきても、東京、大阪公演したら、広島飛び越えて博多に行っちゃう。
井形 文化は都会に集まるんですね。
亀井 でも、わたしの田舎の、山の中にある庄原という(広島県庄原市=亀井氏の出生地)・・・・・・人間より猪や猿とかの多いようなところで公演をやってくれると、今まで演歌や浪花節しか聴いたことがない人たちが、異文化に触れることができる。それによって、人間の心というのは飛躍的にバクハツする。それをやはり国が補助してやらないとね。文化、芸術は採算なんか合わないんだから。
井形 それこそ国の仕事ですね。
亀井 そう。そういうことを全国的にやっていくことを含めて。結局ねぇ井形さん、日本人というのは、世界の中でも素晴らしい魂を持っているんです。だから、世界一になったでしょ?
井形 そうですね。
亀井 日本は石油が出るわけじゃない。鉄鉱石が出るわけでものないでしょ?台風はしょっちゅうくる、地震は起きる。そういう国がなぜ世界一になったかというと、やっぱり日本人の心というか、DNAが優れているからです。
井形 たおやかな心ですね。
亀井 それをね、今の時代は、小泉政治というのはね、人間を道具扱いにした。安くものが作れる道具扱いしてしまった。今ね、経済が良くなってきたなんて大嘘です。そんなことで日本経済は絶対に発展していかない。
井形 亀井さんがそんな危機感を持たれたのは、どのくらい前からですか?
亀井 政治に出る決意をしたときからですね。
井形 えー、そんな昔から!
亀井 そのころからやっぱり日本はおかしくなってきたなあと。それで警察脱走したの。
井形 そうなんですか。
亀井 警察は、社会が作るゴミを掃除する役でしょ。でも、ゴミを出さないような社会を作るには警察官の手には負えない。政治家になるしかないと思って、立ち上がったんですけどね。
井形 私は亀井さんの「文化を大事にしないと国は発展しない」という主張に大変共感をいたしました。こういう政治家の方が、もっと日本に増えたらいいなぁと思っているんですけれど・・・・・・。
亀井 いやいや・・・・・・、みんな寄ってたかってホリエモンさんを叩いてるけど、彼を断罪するだけで問題は解決はしないですよ。
井形 根はもっと深いと?
亀井 うん。彼は時代の子なんです。目的のためには手段を選ばない、そういうことを平気でやる時代になっちゃったからね。彼や私のような徒手空拳(としゅくうけん)の人間、貧乏な家庭に生まれ、親が金持ちでもなんでもない。そういう人が今、やっていこうと思ったら、やっぱり時代の風潮に飲まれて、あんな間違った考え方を持ち、間違ったことをやる結果になってしまう。だから、彼は時代の子だと思いますよ。
井形 そして時代の責任であると。
亀井 そう、時代の責任ですね。

井形 最後に、もし、今3日間お休みがあるとしたら、何をしたいですか?
亀井 毎日寝たい。
井形亀井 (爆笑)
井形 (笑)。遊びに出るとか、テレビ観るとかじゃなくて?
亀井 寝ていたいね。
井形 それは、奥様のもとで?
亀井 いやぁー、じゃなくてもいいですよー。あなたのような人が、そばで寝ててくれれば最高だなぁー(笑)。
井形亀井 (再び爆笑)
井形 光栄です(笑)。こわもての亀井さんの意外なバラエティーに感動しました。今日は本当にありがとうございました。

本対談は月刊誌ミスター・パートナーの6月号「政治と暮らし」の掲載された内容を転載しています。

※無断転載を禁ず


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