活動実績

新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2006.9.1◎財界人
政界再編なるか?
国民新党がキャスティングボートを握る!

 過日、ニューオータニで開かれた国民新党のパーティーには、実に8038名もの大勢が激励に駆けつけた。現在の日本が抱える閉塞感からか、国民新党に寄せられる期待がいかに大きいかがわかる。  そしてその期待は亀井静香氏に向けられたものでもある。かつての自社さ政権の陰の立役者は、今の日本をどう思い、来年の参議院選で何を狙うのか。  亀井静香氏本人を直撃した。

日本は世界から軽んじられている


 今の日本は、竹島や尖閣諸島を含め、周辺が騒々しい状況になっております。日本の歴史の中で今ほど近隣諸国をはじめ、アメリカ等からも軽んじられている時代はないのではないでしょうか。
 北朝鮮にはミサイルを撃たれ、韓国には竹島周辺の海洋調査を実施されるなど、やりたい放題のことをやられています。
 さらにアメリカとの関係においても、小泉首相の下で日米関係は良好であると言われてはいるが、事実上の従属関係にあるように思えてなりません。かつて我々は日米安保のもとで日米間がお互いに力強い友好の絆を築き上げられると確信したこともありました。しかし、現在の日米関係が本当に対等な関係であるのでしょうか。
 安全保障の面で言えば、わが国に占領中置かれた基地を独立後もアメリカに供与し、その再編についてもアメリカによって一方的に進められています。わが国の国民の生活、安全保障をきちんとにらみながら日本主導で進めるべきであるのに、日本はただお金を出せというだけの関係になってしまっています。
 米軍の基地問題を米国がどうしようと自由だということかもしれませんが、この基地再編問題がわが国の安全保障にも大きな影響を与えることは当然の話です。また、基地周辺地域の住民達にも大きな影響があります。国会においてもこれらについて深い議論もないまま進み、マスコミにおいても今の不自然な日米間のあり方が日本の安全保障にとって当たり前であるかのように、それを批判するような論調もほとんど見られません。
 海兵隊のグアムの移転については沖縄の人にとってはプラスかもしれませんが、その移転費を7000億円近くも負担するのです。日本が緊縮財政の中でやるべきこともできない状況が続く中で、そうした巨額な金があっと言う間に動くというのは普通の独立国家に起こりうることではありません。
 さらに、東京の横田に米軍の司令部が移されるということですが、基地があること自体が不自然なのに、首都のど真ん中に外国の軍司令部が置いてある国など他に例を見ません。これはまさに従属関係以下である証左でしょう。
 そのことに対して国民の間にも、「アメリカに守られているのだからこのくらい当然だ」というような空気が蔓延しています。日米安保が言わば片務条約的なものになっているわけですが、これは何も日本の利益のためだけにアメリカが折り合いをつけたということではなく、アメリカにとってもそのほうが望ましいという現実の国策なのです。
 そうした日米の軍事的関係が築かれている中で、日本もアメリカに対して相当な援助をしている現実を我々は忘れる必要はありません。日本独立後も基地の使用を認めていることが日本の安全保障に寄与しているのはもちろんではありますが、アメリカにとっては極東軍事政策上の意味合いのほうが大きいのです。これはアメリカに貸しを作っているとも言えます。何も卑屈になることはない。アメリカに主張すべきことは主張していく必要があります。
 安全保障理事国入りの問題にしても、日本はODAなどで年間1兆円超の援助をしているにもかかわらず、常任理事国入りを果たせませんでした。それどころかアメリカまでもが反対しました。世界にしてみれば、日本を安保理に入れてもアメリカの追従をするだけであれば、アメリカの発言力が増すだけだと考えてしまう。こういう状況では彼らがNOと言うのもやむをえないでしょう。

日本は精神的に自立せよ


 今のように日本が自主的な外交を取り得ないような状況においては、中国や北朝鮮、韓国が日本を独立国家として扱わないのはある意味では当たり前です。
 民主党の小沢代表が中国に行って主席に会いましたが、現在の日中関係は異常です。経済的な面ではうまく交流しているということですが、経済関係はお互いに利益があれば続いていきます。中国が国家建設の途上においてわが国の経済力、技術力を必要とするのは当然であり、それを彼らが積極的に関係を進めメリットを得ようとするのは当たり前のことです。問題は今のように我々が中国に対して独立国家として毅然とした態度を失ってしまえば、中国の爆発的人口、経済に飲み込まれていきかねないということです。
 精神の自立のない国家が、独立国家として毅然として生きていけるはずがありません。相手は一党独裁国家中国でありますから、経済においても国家対国家の力関係が大きく影響してくる可能性があります。今のように中国が日本を必要とする状況においては、経済的な条件、取引条件においてもあまり無茶なことを中国側も要求しないでしょうが、必ずしもそういう状況が続いていくとは限りません。健全な両国の経済関係を維持するには、やはり日中間の精神的な面において今のような状況から脱却する必要があります。
 靖国問題にしても、中国の外務次官から「誰は行っていい、誰はだめだ」などと言われている。これは異常な事態です。この異常な状態を維持するわけにはいきません。両国間で国内の問題についていちいち取り上げて干渉しない節度を作り上げていくことが肝要です。

友好関係に勝る安全保障なし


 北朝鮮からミサイルが発射されました。北朝鮮がこういう態度を取るのも、我々が独立国家としてやるべきことをやっていないからです。7000億円でミサイル防衛を整備すれば、ミサイルはほとんど打ち落とせます。打ってきても全部打ち落としてやるという準備があって、初めて相手にプレッシャーを与えられるのです。
 ただ、これにはやはりアメリカの思惑もあります。アメリカが日本の軍事的一人歩きを内心ではこころよく思っていませんね。しかし日本は独立国家なのですから、我々の手でやれることをやらねばなりません。アメリカにも協力させて、ミサイルをアメリカから緊急輸入するくらいの措置が必要です。防衛上のミサイルである以上、アメリカも強硬に反対することはできません。
 ただただ波風立てないような対応を続けていて大丈夫なのか。果たしてアメリカが本当にきちんと対応してくれるのか。北朝鮮がミサイルを撃ったら、アメリカが大陸間弾道弾を現実に撃つのかと言えば、おそらく撃ちはしないでしょう。アメリカが遠く離れた日本を守るために、核を含めミサイルをいくらでも使ってくれるというのは、我々の一方的な願望にすぎません。現実にアメリカが個々のケースにおいても具体的に守れるかというと、おそらく守れないでしょう。
 それではどうするか。我々自身がきちんと守る努力をするのはもちろん、一番大事なのは友好関係に勝る安全保障はないということです。それには我々が我慢するべきところは我慢し、しかし国家としての威信をきちんと保ちながら関係を良好化していく必要があります。北朝鮮も強がりを言っていますが、大きなアキレス腱を抱えています。経済的な面なども含め、日本が北朝鮮のアキレス腱を救うこともできるのです。今のように、「返せ」「死んだ」という押し問答を繰り返していてもだめなのです。北朝鮮にとって中国、ロシアが本当に頼るべき相手なのか。北朝鮮はそう思っていない面もあるわけです。だからこそ、日本は独立国家として北朝鮮にしっかりと向き合っていかなければなりません。

日本経済再生の鍵はマンパワー


 経済政策については、私は5年前の総裁選の頃からずっと同じことを繰り返しております。あの頃は小泉さんのもとで財政再建至上主義ということが叫ばれていました。530兆円の膨大な借金を放っておいては大変なことになる、返済するために緊縮財政をとり、借金を返すために皆で我慢しようという話でした。
 では、あれから5年経って、借金返済ができたかというと、今や国の借金は850兆円になってしまいました。逆に300兆円増えている。さらに5年前は国民総所得が510兆円あったのが、503兆円に減っています。これは客観的事実です。地方と中小零細企業に犠牲だけが起き、格差社会が拡大しました。財政再建のために協力し我慢もしたけれど、財政が再建されるどころか赤字は膨らみ、地方は惨憺たるありさまです。
 景気が良くなったと一部新聞等では言っていますが、一時的に大企業やメガバンク等が巨大な利益を得ているからといって、本当に回復したと言えるのでしょうか。将来に向けて経済がきちんと躍動して成長して初めて、景気回復と言えるのです。
 今や東京に本社がある大企業が、工場は中国やベトナムの人件費の安いところに出して、技術はアメリカなどから買っています。これは中小零細企業を斬って捨てるということに他なりません。99.9%が中小零細企業の日本が、独自の技術開発力をどんどんなくしてしまっているのです。中小企業の技術の積み重ねの上に大企業の製品ができあがっていたのに、今はそういう構造がどんどん消えてしまっているのです。
 最近ようやく地方にも工場を出してきているようではありますが、日本の経済発展のためにはもっと地方に工場を出して行かねばならないでしょう。まだまだ日本に工場を出すよりも外国に出したほうが安くつくれるという風潮が止まっていないように思えます。
 かつては系列会社、下請け、孫請け、少なくとも自分の会社の社員は責任をもって幸せにするのが経営者のプライドであり、それができる経営者が評価されていました。今は株主に対してどう配当するかが経営者の評価です。かねてからこういった傾向がなかったわけではありませんが、この5年間でより顕著になりました。
 今の経営者は、かつてエンパイアステートビルを買収しようかというくらい経済が爆発した頃の経営者とは全然違います。当時の経済人は、護送船団方式と今の人たちは批判するかもしれませんが、少なくとも自らが仲間を幸せにしていくことが経営者の務めだという気概がありました。そして、他人は敵と思えという競争原理を振りかざすアメリカに勝って、日本は世界一の経済大国になった歴史的事実があります。
 ところが今や、経営改革、市場原理の旗印のもとに、正社員までもどんどん解雇し、組合もそれに反対する力もない。そして、解雇した正社員の代わりにパートを入れて、今まで30万払っていた賃金を20万にしてしまう。これが経営改革だ、市場原理だとむしろ推奨していく経営手法がこの5年間で広がり、あっという間に日本の経済構造の中身を変えてしまいました。
 わが国の経済は蝕まれています。その最たるものは中小零細企業が力を失ってきているということです。倒産が最近落ち着いてきたなどと言っていますが、自主閉業が増えているのです。私は5年前から言っていますが、経済を成長させることこそが大事なのです。そのためにやるべきことがいっぱいあります。やることがないからやれないのではなく、やることがいっぱいあるのにやらない。もったいないから、そんなことにお金をつぎ込むのは節約しよう、などといったことをやるからどんどん経済が縮小しているのです。電線の地中化や、踏切の立体交差化、そういう国民生活が快適になることをすることが経済のパワーアップにつながるのです。日本は資源がない国ですから、マンパワーこそが頼りです。そして経済成長させずに、節約で財政赤字を解消するなどできはしません。今大事なことは、かつて世界に誇った日本民族の魂を爆発させることなのです。

参院選後の新総理は綿貫民輔だ


 日本国民のほとんどが考える能力をなくしてしまっています。わかりやすい単純な言葉が国民に受け入れられやすいのです。滋賀の知事選でもそうでした。「もったいない」をキャッチフレーズに当選を果たしましたね。これは小泉さんの手法と一緒です。
 次の参議院選挙もマスコミが絡むことで、異常な選挙になると思います。どちらが正義の味方になるかによって、勝負が決まるのです。自民党の総裁選もそうです。マスコミの支持率調査や報道によって地方の党員を含めて、投票行動いうというのは実質決まってしまいます。知名度が上がるからという理由で出る人もいるでしょうけど、安倍にほぼ決まりでしょう。
 しかし、総裁選で決まった総理総裁は果たしていつまで続くでしょうか。来年7月の参議院選挙終了までです。誰が総理総裁になろうが、御殿女中に成り下がった者が、いまさら主君の跡を継いで将軍になれはしません。本心はともかく小泉構造改革を継続すると言ってはいますが、安倍がなるにしても福田がなるにしても、そんな力のある総理総裁が生まれるわけがありません。7月でおしまいです。
 どういうことかと言いますと、やはり政治は数の世界なのです。かつて、私は自社さ政権をつくりましたが、少数派の社会党と組むことで、政権を奪取することができました。来年7月以降、参議院選挙が終われば、村山政権の時と同じような状況が生まれます。そのとき総理になる可能性があるのは誰か。我が国民新党の綿貫民輔ではありませんか。綿貫さんと言えば元ミスター自民党ですから、誰も反対しませんよ。
 とは言え、国民新党は過半数を狙うつもりはありません。国民の5、6%の支持で十分です。国民の94〜95%は国民新党の名前も聞くのもいやだ、で結構なのです。ですから私は堂々と国民はアホだと言えるのです。亀井けしからん、と言う人がいる一方で、その通りだと同調してくれる人が5%はいると確信しています。そういう人たちを味方につけて次の参議院選挙は戦い抜きます。
 もちろん、自民党が勝てば別ですが、2年前に小泉・安倍のゴールデンコンビで49議席しか自民党は取れませんでした。来年の選挙では51議席を取らなければ、自公は過半数を割ってしまうという、厳然たるハードルがあるのです。民主党の小沢さんとも話して、とにかく自公過半数割れを確実にするため選挙協力を徹底的に行い、政権を奪取します。
 参議院で過半数を取っても、自民党は衆議院で3分の2の議席を占めているから、政権は取れないだろうと思う方もいるかもしれません。しかし、国会は法案を可決できなければ機能しないも同じことです。参議院で否決されても衆議院で再可決すれば法案は通りますが、それは理屈の話です。一国会で一年間に200以上の法案が出てきます。それを全て参議院で否決したらどうなりますか。すべてを衆議院に戻して再可決することなどできはしません。実質的に政権はお手上げ。内閣は総辞職せざるを得ません。衆議院は解散できても参議院はできませんから、どうにもならない状況に追い込まれることになります。
 また、今や自民党の心象はどこも悪い。特に地方は大変な支持率の低下を見せています。しょせん小泉さんの支持は首都圏の支持率にすぎません。衆議院なら20何名の議席を得られても、参議院選では東京で得られる議席は、1つだけです。いくら都会で人気があっても関係ありません。ほとんどが地方区なのです。そして地方はほとんど「自民党NO」です。これだけ地方をいじめて、地方の中小零細企業をばたばた倒しているのですから当然でしょう。
 国民新党は、東京、千葉は確実に議席を取れます。東京の候補者には目玉として圧倒的な知名度のある人物を用意しています。千葉も近いうちに決めますし、大阪は事実上決めました。大阪芸術大学、環境デザイン学科の現職教授で、二科展の常連でもある、53歳の壺井勘也氏です。さらに全国比例で、4〜5議席を取っていこうと思います。前回の衆議院選挙では新党日本と国民新党で合わせて300万票近く取っていますので、それで首尾よく4〜5議席を取っていけば、現有勢力と併せて10名を超えます。自公が過半数を割る中で、その勢力でもって、日本を正しく導くのが我々の使命です。
 元の鞘に戻る気はないのかという声も聞こえますが、そんな気は一切ありません。きちんとした政権を構築し、日本がこれでよくなるなと思える政治を行っていきます、総理の背中を模範として国民が生きていくということでなくてどうしますか。人間としてあるべき姿を、苦しくとも歯を食いしばって国民に見せるのが総理の責任であり政治家の責任なのです。楽な道を生きて政治屋に成り下がっては政治家は終わりです。

日本を去る覚悟はできている


 私も政治生活がそろそろ27年になります。大臣もやりましたし、政調会長もやってきました。しかし、私は今ほど燃えていることはありません。
 自民党を飛び出して苦労もしたけれど、本当によかったと思っています。なぜなら、今のこの日本を放っておいたら大変なことになります。具体的には政治家が動かなければどうしようもないのです。自民党の一派閥の会長代理なんかより、よほど今私はそういうことをできる立場に立っているのです。自民党に残っていては、歴史を動かす立場にはなれなかったでしょうね。
 我々は小なりといえどもキャスティングボートを握っていきます。日本をしっかりと立て直す視点に立って、自民党ではなく、国民新党で匕首をつきつける。世直しをします。そこで日本がダメなら私は日本を去りますよ。。

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