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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2007.6.25◎Kyodo Weekly
It's小(ショウ)タイム
国民新党 亀井静香代表代行

悪あがきの毛針づくり


 国民は年金記録不備問題に本当に怒っている。自民党系の支持者の間からも、けしからんという声が上がっています。
 政府、与党は年金時効撤廃特例法案で対応すると言っていますが、これは毛針で魚を釣ろうというのと同じです。年金問題の不安を解消するために、あたかも画期的な救済をするかのように強調していますが、もともと支払われるべき額を支給するという話で当たり前のことでしょう。
 社会保険庁を解体して非公務員型の組織にするとも言っていますが、「官から民へ」ですべてがうまくいくとは思えない。国民の大切な年金がちゃんと運用されていくという保証がなくなってしまう。国民の安全と安心は国が責任を持って対応しないといけないんです。社保庁がけしからんことをやったので解体しました、だから、許して下さいと。民間にしたから改革できたかというと逆ですよ。実際は無責任そのものになる。これも毛針。
 それから、国会の会期を延長しても成立させると意気込んでいる天下り規制の国会公務員法改正案にしても、天下りをなくすという内容じゃなく、あくまでも規制するということなんです。しかも、新人材センターをつくるという。国民はハローワークに行っているのに、なぜ、公務員だけが特別扱いなんですか?二重におかしい。これまた国民をたぶらかすための毛針です。
 社保会庁職員が徹夜して働いているなんて、聞いた事がありません。いまやらなければならないことは、残業手当をいくら出してもいいから、職員を大動員して一日も早く年金データをしっかりさせることでしょう。その次にくるのが年金制度そのものをどうするかということなんです。こうした事態が二度と起きないようにすることを含めて、どういった制度がいいのか。基礎年金を税で賄うのかどうかという財源問題も含めた年金制度そのものの議論に突っ込んでいかないといけない。
 傷口にばんそうこうを張るんじゃなくて、痛んでいる体そのものを健康にするためにはどうしたらいいのかということを考えないといけない。
 いずれにしても延長して急いですべての法案を何が何でも成立させなければならないという話じゃない。会期延長して、採決をごり押ししては、悪あがきをしているとしか、国民に受け取られない。年金問題で追い詰められているからといって、こうした毛針をつくるための国会延長なんて、笑止千万だ。
 安倍晋三首相は、自信喪失に陥っているのかもしれない。とにかく、何かを打ち出さなければいけないという焦りだけが目立っている。小泉純一郎前首相のようにパフォーマンスをやろうとしているが、うまくいかない。まねしてもだめですよ、安倍首相は小泉さんと違って、きまじめなのだから。
 役人を敵に仕立ててはだめですよ。良くなかったことについて反省させた上で、国民のためにちゃんとしなければいけないという気持ちにさせることが大切なんです。悪人をつくりあげても問題は解決しませんよ。役人の気力をみなぎらせることが大事なんです。民間会社に委託したってしょうがない。同じようなめちゃくちゃな結果に終わるだけでしょう。

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