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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2007.10.22◎Kyodo Weekly
It's小(ショウ)タイム
国民新党 亀井静香代表代行

こんにゃく内閣


 福田内閣が発足しました。衆院では与党が多数を占めていますから、政府、与党が提出する法案は衆院を「通過」するかもしれませんが、その法案は「中身」が伴っていない。福田康夫首相はこんにゃくが特産の群馬県出身。こんにゃくは「通じ」にはいいかもしれませんが「栄養」にならないといったところから、まさに「こんにゃく内閣」と命名したいですね。  鳩山邦夫法相は、法相の署名なしでの死刑執行の検討を提起しましたが、私はこの話を聞いて「法相の資格も人間の資格もない」と批判しました。きれいなチョウを探しては殺して標本にしているような方ですから、彼の「署名なし執行」という考え方に驚く必要はないのかもしれませんが、人の命を機械的に抹殺してもいいわけがありません。
 どういう大罪を犯している者であろうとも、死刑というのは結局は国家による殺人です。被害者の遺族が八つ裂きにしてやりたいという気持ちは分かりますが、その報復感情を国家が代わって満たすというようなことが近代国家としてふさわしいとは思えません。人の生死を左右する立場の法相として、邦夫氏の発言はやはりふさわしくありませんし、法相に据えた福田首相の責任についても問題なしとはいえません。
 舛添要一厚生労働相も閣僚としての資格に疑問符が付きます。社会保険庁や市町村職員による国民年金保険料などの着服問題で「横領した人間には牢屋(ろうや)に入ってもらう」などと発言していますが、部下を泥棒扱いにする一方で、年金記録の不備問題については夜を徹して仕事をしなさいと言っても、部下を信用しないで仕事ができるわけがありません。
 舛添氏は「社保庁は信用ならないが、市町村はもっと信用ならない」とも発言。彼の強い指示を受けた社会保険庁が、今度は宮城県大崎市の元職員の刑事告発に踏み切りましたが、自治体からは反発の声が上がっています。スタンドプレーがすぎます。
 政策をめぐっては、政府、与党が、自分たちの施策の中に民主党の主張を「取り込み」「丸のみ」しようという動きを見せています。野党との争点回避を狙ってのことでしょうが、自民党は、このことが良くない結果をもたらすことになるということが分かっていないようです。
 民主党が主張する通りに政治を行っていくということになれば、国民の間には「それだったら民主党に政治を任せても構わない」という声が出てくるはず。今、国民の中には、民主党の政権担当能力に疑問を抱いている人がいるでしょうが、与党と民主党とが協議をして、民主党の言い分通りの政治が行われれば、民主党の政権担当能力に対する国民の不安感は解消され、むしろ安心感を抱くことになるからです。
 与党が、民主党に早々と政権を渡してしまえば、政権運営の経験がない民主党は頓挫する可能性があります。そうなれば国民は「やっぱり民主党は頼りなかった」と反省することになる。しかし、政府、与党の「取り込み」「丸のみ」は、逆に与党の方が野に落ちていくきっかけとなり得ます。衆院解散についても「話し合い」で、ということなら、野党優勢の潮流を変えることはできないでしょう。

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