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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2008.5.19◎Kyodo Weekly
It's小(ショウ)タイム
国民新党 亀井静香代表代行

財務省のくびき断ち切れ


 大都市、大企業とは対照的に、地域経済や中小企業、そして家計は依然疲弊したままです。原油価格の高騰などによって物価は上昇し、米サブプライム住宅ローン問題で金融市場も動揺しています。内需拡大に結び付くような、思い切った経済政策を打ち出さなければなりません。
 国民新党と民主党は4月、揮発油税などの暫定税率廃止による2・6兆円減税や、地方自治体への2兆円交付、後期高齢者医療制度の廃止など6兆円規模の緊急経済・生活対策をまとめました。しかし、その後、政府、与党は暫定税率を復活させ、後期高齢者医療制度も予定通り、導入してしまいました。
 暫定税率の復活で事実上の“増税”となり、国民の負担はさらに重くなっています。4月に作成した緊急対策を練り直して、新たな経済政策を示さなければいけません。民主党の小沢一郎代表はじめ、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長と話すたびに「国民は、民主党が希望を持てるような政策を提示し、やり抜くだけの力があるかどうかを見ている。政府、与党の揚げ足ばかりを取っているときではなく、政策を示すときだ」と、ハッパを掛けているんです。
 経済・景気対策を論じ始めると、民主党の中からは財源を懸念する声が漏れてきますが、財務省によるマインドコントロール、くびきから脱しなければいけません。外国為替資金特別会計の積立金はじめ、特別会計剰余金など財源はいくらでもあります。財務省の言うことをそのまま聞いていては政治家とは言えません。
 小泉純一郎元首相と財務省は財政再建路線の下、歳出を減らし緊縮予算を組みましたが、その結果、税収は減ってしまいました。そして、その穴を埋めるため、結局、国債発行残高は増えてしまったというのが真実なんです。数字が政策の失敗を証明しています。税収見積もりが想定より少ないから、それに見合った歳出を、と考えていては、“縮小スパイラル”から逃れることはできません。
 財政出動を含め、アクセルを踏まなければいけないのに、ブレーキを踏むような予算を毎年繰り返し編成していてはダメなんです。財務省に乗っかって失敗に終わった財政再建路線と逆のことをやるべきです。アクセルを踏むという政策転換をしない限り、経済は良くなりません。
 民主党は、小泉政権が財政再建と称してやったことと同じ発想で臨むなら、自民党との違いをアピールすることにはなりません。それは国民が期待していないことですから、政権も取れないということになります。
 後期高齢者医療制度についても、民主党は廃止法案を提出していますが、“壊す”だけではなく、しっかりした対案を示さなくてはいけません。そうしないと政府、与党から「小沢民主党は壊すだけで、対案がない」と批判されるのは目に見えていますから。
 福田内閣の支持率は落ち続けています。福田康夫首相は早期の衆院解散・総選挙を否定していますが、このままでは福田自民党はいずれ“立ち枯れ”るでしょう。しかし、民主党も、しっかりした政権ビジョンを示さないまま、政府、与党の批判に終始していては国民の支持を得ることができません。与野党とも正念場です。

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