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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2008.6.16◎Kyodo Weekly
It's小(ショウ)タイム
国民新党 亀井静香代表代行

ちぐはぐ民主党


 通常国会の最終盤で、民主党とわれわれ国民新党、社民党、共産党との野党共闘をめぐり、そごが生じました。
 自民、公明の与党としては、参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」の状況下でも、できるだけ多くの法案を成立させたいところ。野党案の“丸のみ”も辞さない構えを見せていましたが、民主党が国家公務員制度改革基本法をはじめ多くの法案に関して与党との協議に安易に呼応し「自分たちの要求を与党にのませた、のませた」と、喜んでいる姿は看過できません。
 政党にとって政策は生命線です。民主党が野党共闘を掲げ、重視する立場なら、まずは野党各党との協議を優先し、その後に与党との協議に臨むべきでしょう。野党との調整・話し合いをいいかげんなままに、与党と法案の修正協議を始めるなんて冗談ではありません。
 民主党は、与党と国家公務員制度改革基本法案の修正協議を開始。内閣官房に「内閣人事局」を置き、各省の幹部人事について、官房長官が候補者名簿を作成、閣僚が首相と官房長官と相談して決めることなどで合意し、法案は6日、法律として成立しました。
 マスコミは一歩前進だと評価していますが、果たしてそうでしょうか。考えてみてください。ひとつの省だけでも職員は何万人に上り、所管は多岐にわたっています。各省幹部の執務状況を省の人事局ではなく、内閣人事局がつぶさにチェックし、人事評価することなど、できるわけがありません。閣僚から人事権を奪ってしまったら、幹部はじめ役人はこれまで以上にやりたい放題をし、本当に“お飾り”の「かかし大臣」に成り下がってしまいます。
 公務員制度改革というのなら、無駄遣いの元凶である特殊法人を全廃し、本当に必要な仕事だけを特殊法人を所管する省に戻し、天下り人事をなくす。社長と同期の社員も働いている民間会社と同様、各省とも同期職員の残留を認めるとともに年金がもらえる65歳まで定年を延ばす。民間の知恵を採り入れるため、官民交流をさらに促進する、といったことの方が大事でしょう。
 マスコミによる「改革つぶし」との批判を恐れ、中身の伴わない、パフォーマンスに走ってもだめです。
 民主党は国家公務員制度改革基本法だけではなく、ほかの法案をめぐっても与党と修正合意しました。その一方で、われわれ野党4党は、低賃金や違法労働が問題となっている派遣労働を改善するための労働者派遣法改正案の今国会提出を模索してきましたが、野党第1党の民主党が調整をあきらめてしまいました。これでは野党共闘の精神に反していると言われても仕方がありません。
 福田内閣はヨタヨタしながらも、粘り腰です。福田康夫首相は先に開かれたアフリカ開発会議で、アフリカ諸国に最大40億ドルの円借款の提供を表明したり、食料サミットでは、食料危機への貢献策として在庫輸入米30万トン以上を緊急放出する考えを明らかにしたりと、「花咲かじいさん」気取りで、にこにこ顔。いい気分の首相に、降りろ、降りろと叫んでも、当分、木の上からは降りてこないでしょう。だからこそ、強固な野党共闘が必要なのです。

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