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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2009.7.27◎Kyodo Weekly
It's小(ショウ)タイム
国民新党 亀井静香代表代行

小泉政治との完全決別訴える地方、中小企業支援し日本再興


麻生太郎首相は21日、衆院を解散、総選挙の投開票日 が8月30日と確定した。郵政民営化に反対し、4年前 の「郵政選挙」を機に自民党を飛び出し、結党した 国民新党にとって2度目の総選挙ー。亀井静香代表代行 に衆院選戦略を聞いた。



▽「自民党解散・総選挙」

ー古巣である自民党の現状をどう見ていますか。

「われわれは4年前、郵政民営化反対という旗を掲げて自民党を離党した。いまの自民党には政策とか政治理念で行動する議員がいなくなった。反麻生派は麻生総理・総裁の下で衆院選をやれば負けそうだからと、利害で『麻生降ろし』を企てる。一方で内閣不信任案に賛成して党を出る決断もできない。政治家として最低だ」

「自民党は東国原英夫宮崎県知事の擁立にも失敗。若手議員が『自民党にエネルギーがないからといって助けを求めるような行動は誤りだ』と古賀誠選対委員長を批判したそうだが、まさにその通りだ。その古賀氏は職を放り出した。やることなすことがめちゃくちゃで、見るも無残だ」

ー8月決戦となります。

「有権者はいまの国政への不満を一日も早く意思表示したいのに、首相は去年から衆院選を先延ばしにしてきた。先の都議選での自民党敗北は、国政に対する不満のマグマが爆発した結果だ。名古屋、さいたま、千葉の各市長選、静岡県知事選などの結果も同じ図式。マグマは依然たまっている。自民党は分裂、瓦解に向かっている。まさに『自民党解散・総選挙』だ。」


▽安心な地域社会を実現

ー政権公約(マニフェスト)は。

「安心な地域社会の実現を訴える。小泉構造改革の名の下、過剰な海外依存や市場原理主義、規制緩和によって格差社会が生まれ、郵政民営化や国・地方財政の三位一体改革によって地方はズタズタにされた。小泉路線と決別する。具体的政策で言えば、まず郵政民営化・四分社化の抜本的見直しだ。株式売却を凍結し、郵便局で郵便、貯金、保険サービスを一体的に提供できるようにする。経営陣を一新し、かんぽの宿の安売りを防止する」

ー郵政以外では。

「小泉改革によって奪われた地方の活力を取り戻すため、自治体が自由に使える『いきいき地方復活交付金』を新設する。5年間で18.5兆円を用意し、各都道府県に一律200億円、各市、町、村に5億〜20億円を交付する。地方から日本を再興する」

「中小・零細企業に元気を出してもらうために、3年間、融資返済を猶予(モラトリアム)するとともに、技術奨励金や雇用対策費を直接手渡す仕組みをつくる。住宅ローン返済困窮者に対する返済猶予も実施する。教育にも力を入れ、高校の授業無料化、返済義務のない奨学金制度や私学助成の拡充、仕送り支出に関する『仕送り減税』を創設する」

ー財源はどう確保しますか。

「購入額に応じて相続税の額を軽減する無利子国債を発行し、眠っている1500兆円の個人資産を引き出すとともに、一般会計と特別会計を一体的に運用、活用する。大胆な税制改革も行う。所得税の最高税率を引き上げ、法人税についても大企業については税率を引き上げる」


▽議席倍増目指す

ー目標獲得議席数は。

「これまでに現職4人を含む14人の出馬が固まっている。小選挙区候補9人、単独比例ブロック候補5人だが、さらに3人程度のブロック候補者を考えている。いまの状況では比例では民主党へ票が流れてしまいそうだが、自民党が票を減らすのは間違いない。比例で議席を獲得し、議席数の倍増を目指す」

ー二大政党の狭間で埋没する恐れは。

「弱肉強食の市場原理主義では人を幸せにできないと、世界はかじを切っている。オバマ米大統領の誕生がその象徴だ。国民新党は市場原理主義の小泉改革に異議を唱えた“元祖”であり、時代はわれわれを求めている。政策的には本流だとの自負がある。正々堂々と政策を訴え、支持を広げていきたい」

「民主党単独で衆院の過半数を獲得する可能性もあるが、民主党の勢いは自民党に対する“反作用の勢い”であり、“自力の勢い”ではない。国民が本当に求めていることを把握する力、有権者に訴えかける力はまだ十分とは言えない。西松建設ショックのようなことが起きれば、10〜20議席はがらっと様相は変わってしまう。投票日前に変な“風”が吹けば、どうなるか分からない」


▽新政権の緩衝役に

ー衆院選後の新政権の形は。

「郵政の見直しや市場原理主義を払拭(ふっしょく)する政策を実行する決意が民主党にあれば、連立を組む。民主党が市場原理主義に走る危険性がないわけではない。われわれは弱肉強食の社会を否定し、憲法の精神は尊重する立場だ。戦争という手段で紛争を解決しないとの世界の潮流へと国民新党が引っ張っていく。社民党とも共通する部分がある。新政権には社民党も加わることになるだろう」

「民主党議員の多くは政権を担当した経験がない。権力には責任が伴うし、机上の論理は通用しない。官僚の使いこなし方にも慣れていない。“風”に乗って当選した議員も多く、効率優先で人間の生活、行動を考慮しない政策へと流れる危険性もある。国民新党が連立に入れば政権が強化される」

ー北朝鮮貨物検査特別措置法案が廃案となりました。安保政策は大丈夫でしょうか。

「自民、社会、さきがけによる自社さ連立政権をつくった男として、全く心配していない。憲法との距離・間合いを測りながら、現実の問題をどう処理していくかということだ。貨物検査は第一義的には海上保安庁の仕事だが、どういう場合の時には自衛隊が出ていき、実際に何をやるのかを詰める必要がある。わたしが緩衝役になって、責任を持って対応する」

(聞き手 編集部 松浦 義章)

※無断転載を禁ず


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