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新聞・雑誌等での亀井静香の発言

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2010.12.13◎Kyodo Weekly
It's小(ショウ)タイム
国民新党 亀井静香代表代行

捨てよ!見果てぬ夢


 菅政権は来年1月の通常国会前に、運営の軸足をしっかりと定めなければいけません。

 参院で与党が過半数割れしているのは厳然たる事実。早々と態勢を構築しなければいけなかったのに、公明党やたちあがれ日本といった野党に秋波を送っている間に、2010年度補正予算の成立は遅れ、十分な法案審議ができないまま臨時国会を閉じざるを得ない事態となってしまいました。

 政権を倒そうというのが野党の本質。その野党に協力を求めるのなら、政権、与党がまずしっかりしていないと、足元を見られるだけです。野党から閣僚らの失言などで攻撃を受けるのは、何としても政策を成し遂げるという「闘志」と「覚悟」がないとみられているから。

 民主党は、政権を担当した経験がなかったため、どうすれば政権を強化、維持していけるのかのすべを分かっていない。「イロハのイ」をやらずに、フラフラしているから、国民の目には、「ねじれ国会」を前にただただうろたえているようにしか映らない。内閣支持率の下落は自明の理です。

 私は、先の菅直人首相との会談で、補正予算案に賛成し、仙谷由人官房長官らの不信任、問責決議に反対するなど、政府、与党に友好的なスタンスを取ってきた社民党と連携し、政権運営に当たるべきだと強く進言しました。

 政権基盤を強化できる現実的な策があるにもかかわらず、それを放っておいて、「見果てぬ夢」を追い掛けていても、政治的前進はありません。今、やれることをやらずして夢見ていては、国民との約束を実現することなどできません。民主党には、国民や国家に責任を持っていることを自覚してもらいたいとも、菅首相に申し上げました。

 社民党に、政府、与党の11年度予算案編成作業に加わってもらい、政権の基盤を立て直す。民主党内からは内閣改造を求める声も出ています。閣僚の任命権者は菅首相ですが、社民党の福島みずほ党首を法相に起用する。そのぐらいの気構えがなければ、年明けの通常国会の途上で、政権は野垂れ死にしてしまいます。

 社民党の連立離脱の原因となった米軍普天間飛行場移設問題は、沖縄県民の同意がなければ実現不可能です。機動隊を動員して強制執行するわけにはいきません。日米合意をめぐる論争に走らずとも、より良い打開策を探る道はあるはずです。

 今の政権の危機的状況を好転させるためには、「やれることから着手していく」ほかありません。

 円高、デフレ対策は待ったなしです。円高対策で為替に数兆円規模で介入したところで、効果は知れたもの。それなら、日本が持っている米ドルをつぎ込んで、レアメタル(希少金属)やレアアース(希土類)をドンと買うための国家ファンドでもつくった方がいい。

 内需を拡大し、国内経済の空洞化も防がなくてはなりません。企業が工場の海外移転をやめ、国内建設を条件に、数兆円規模の助成や税制上の優遇措置を講じれば、菅首相が主張する雇用を守ることにもつながります。日本経団連の米倉弘昌会長と会い、政府、与党の決意を伝え、協力を求めるべきです。

※無断転載を禁ず


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