デイリースポーツ連載


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亀井静香美しき日本我が故郷を想う

「こどもの日」だから余計に思う
父の威厳、教師の人間教育
見つめなおす時期

2006.5.4

親父は厳しかった

 「私が子供の頃は、良かったなー、思いっきりわんぱくが出来た」。
 明日は子供の日。ふと、子供時代を思い起こしました。と云うのも、私は4人兄弟の末っ子、優等生の姉や兄と違って静香という名に反して悪さばかりしておりました。
 山奥に住んでたので、小学校へは片道2時間弱の道のり。途中で腹は空くし、弁当を途中で食べてさぼったり、せっかく学校へたどり着いても、先生に怒られてばかりでした。
 当時の教師はただ怒るだけでなく、遠慮無くぶん殴る。親父も厳しくて、一度日本刀を持って追っかけられたこともある。それでも性懲りもなく、音楽の時間に同級生全員に「ピアノが鳴っても唄うな」と命令して先生を困らせたり、相当の悪でした。
 お袋はそんな私を一言も叱らず可愛がってくれたのですが、そうやって自然と父母の役割をバランス良く分担していたんでしょうね。

失われた大和男子

 現在は社会全体が競争に明け暮れ、あらゆるバランスが崩れてしまいました。社会、家庭の中で教師、父権の威厳はなくなり、家族の中で発言権を占めるのは、もっぱら母親の意見。女が強くなったと云えばそれまでですが、それよりも男が弱くなったことが原因。大和男子の誇りを失い、すっかり萎えた精神で家に帰っても、一家の大黒柱の役割は果たせません。
 やはり日本人全体が萎縮していることが、現在の社会構造の一番の問題点であり、虐めや犯罪の原点でもあります。また、次代を担う子供達への教育にも影響を及ぼしており、馥郁(ふくいく)とした大らかな魂の基でこそ、個々の特性を伸ばす人間教育が可能と考えます。
 そうでなければ、私なんぞは完璧な落ちこぼれです。私は広島の名門修道高校を中退後上京し、都立校を何校も受験しましたが全て不合格、すっかり諦めかけたところに、当時の都立大泉高校では面接試験がありました。

まず社会構造から

 両角校長先生が「亀井君、君は入学試験で名前しか書けなかったけど、今後は心を入れ替え勉強するかい?」という問いかけに「します、しますっ!」と二つ返事で応え、入学させて貰ったお陰で、現在の私があります。
 前述の悪ガキの私を見捨てず、何度も本気でぶん殴ってくれた小学校時代の恩師、勉強が出来なくても一人前の人間にしてやろうと拾ってくれた校長先生。どちらも教育委員会も文部省も関係なく、人間に対する教育者としての本気の思いに始終する気がします。
 そんな理由から、現在進めている教育基本法の改正にも懐疑的で、先ず社会構造をしっかりして、躍動するような日本人の魂を目覚めさせてから、改正するべきと考えております。
 日本のお父さん、子供達の未来のため、共に頑張りましょう。
(国民新党代表代行)

次回は5月18日付

※無断転載を禁ず

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