デイリースポーツ連載


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亀井静香美しき日本我が故郷を想う

日本人は拝金主義を改めて愛国心や
人を愛する心持て

2006.6.1

今の日本社会は不健全な方向に
ライブドア事件

 先週末、小泉改革の総仕上げとして行政改革推進関連法案が成立した。小さな政府を目指すと謳った「改革」が、共生の日本型社会を構築してきたセーフティーネットを破壊し、モラルの低下を一層助長するものであってはならないと危惧している。そんな中でライブドア事件の初公判が開かれた。
 この事件はホリエモンを「改革の旗手」と持ち上げ、時の総理、与党の幹事長、又監督官庁の大臣までもが広告塔を務め、言い換えれば政府保証を付けた戦後最大の詐欺事件である。
 7千億円という巨額の株が紙くず同然になった。大半の株主が個人投資家と推察するが、被害を被ったのにも拘わらず、投資は「自己責任」と云って済まされるものではないはず。なのに、永田メール事件ですっ飛んでしまった。

空前の株ブーム

 またホリエモン1人を断罪したからといって、決着するものでもないだろう。別に彼を擁護するわけではないが、徒手空拳の中で金儲けをする為に、今の時代の風潮を最大限に利用した一人であり、正に現代社会が産んだ申し子である。
 これら一連の事件により、如何に日本の社会が不健全な方向に進んでいるか、改めて思い知らされた感がする。
 個人投資家の増大で空前の株ブームと云われているが、その企業の成長を見守り、資産として持っているのならば異論はない。だが、現在のように短期で金儲けする為のマネーゲームによる投機は、巨額を投じて株式相場を操作するヘッジファンドの動きが個人投資家には予測不可能であることから、非常に危険の伴うものであることを忘れてならない。
 株の誤発注により、20数億儲けた個人投資家の記憶も新しいが、「金儲けをした。得をした」と云っても所詮お金を動かしているだけで、建設的な喜びには繋がらないだろう。
 同じ日、サッカーの日本代表チームがワールドカップに出場する為、ドイツに向かった。どうせ勝負に熱くなるのなら、金儲けに興じるより、わが日本代表選手が大いにピッチを駆け回り、手に汗を握る活躍をしてくれることを期待する。

日本人の魂を

 泥だらけになりながらも、時間切れまでに懸命にプレーする同胞の姿に日本国中が湧き、魂が躍動するような感動に浸りたいものだ。これぞ愛国心。愛国心や愛郷心、人を愛する気持ちがなくして、社会の秩序は保てず、真の平和はあり得ない。拝金主義をあらため、今こそ日本人の魂を取り戻せ!
 今国会の会期末が近づき、自民党総裁選に話題は移行しつつあるが、わが国民新党は誰が総理になっても小泉総理が進めた政治、それが生まれた日本の流れについて、反省に立って思い切った理念・政策の転換をしなければ協力するつもりはない。
(国民新党代表代行)

次回は6月15日付

※無断転載を禁ず

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