デイリースポーツ連載


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亀井静香美しき日本我が故郷を想う

アメリカ追従一辺倒では日本の国益損ねる
対北朝鮮問題で小泉外交の弊害露呈

2006.7.13

魂の萎縮

 今月5日、北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射し、同時に韓国の調査船が竹島周辺の日本の排他的経済水域と領海内に入ってくるという異常事態が発生した。私が懸念していたことが的中した。
 今回の問題は単に対北朝鮮問題に拘わらず、日本が中国や韓国との外交関係をなおざりにして、対米一辺倒で通した小泉外交の弊害が露呈した。
 そして何より日本人の魂が萎縮したことが、アメリカ追従一辺倒となり、現在の外交に於いても日本がアジアのリーダーとして、中国や韓国と対等に会話できない状況を生み、日本の国益を損ねる結果になっている。
 私は以前、防衛庁長官に「何故日本全土にミサイル防衛を配備しないんだ。こんなものは7000億もあれば出来るだろう」と云ったら、「首都には配備する予算をつけています」と返事が返ってきた。そこで「じゃあ、俺の広島はどうなっても良いのか!」と叱りとばしたことがある。

独立国家の使命

 先ず確実に我が国にとって脅威である北朝鮮からの挑発やいざという有事に対し、自らの守りを備え、独立国家としてやるべきことをやらなければ、強硬な経済制裁も実際には取れまい。大国アメリカの抑止力頼みでは、独立国家として情けないばかりか、アジアに於いて日本の存在は薄れ、中国も韓国も北朝鮮も結局はアメリカとさえテーブルに着けば、日本はどうにでもなるという構図が着実に進むのみだ。
 国家対国家の対等な関係が築けず、健全な外交関係は築けないことを肝に銘じ、(安保条約上、手足を縛っておいたほうがアメリカにとって、都合が良いが)安全保障の問題も含め独立国としての誇りを持ち、対米関係を正すことも必要だ。  日米同盟は勿論日本の安全保障上大切だが、アメリカと同盟国として対等な絆(きずな)を築いてこそ、中国を始め韓国等のアジア近隣諸国と対等な外交が出来るはずである。
 中国からの靖国問題等に関する内政干渉も対等な外交を築けず、我が国がなめられていることに端を発するが、私はよく例えで、こう表現している。
 「浪花節が好きだからといって、一家の主が近隣の迷惑も顧みず、窓を開けて大きな声で浪花節を唸ったら、女房子供は近所付き合いが出来なくなるのは当然」。アメリカに対してペコペコしている一方で、強いガキ大将の陰で、遠吠えをしているようでは対等な外交相手として扱われなくなるのは当然である。

我が国の経済政策

 日本人の魂が萎縮しているもう一つの要因が、我が国の経済政策である。7日に政府・与党が閣議決定した「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」を見ながら、これじゃ、地方は細った骨まで食わなきゃやってゆけないような地方切り捨ての歳出大幅カットに憤りを感じた。
 日本経済を高揚させ、日本民族の魂を目覚めさせる為、いよいよ奮起だ。広島カープも上昇気流に乗っている。頑張ろう!
(国民新党代表代行)

次回は7月27日付

※無断転載を禁ず

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