デイリースポーツ連載


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亀井静香美しき日本我が故郷を想う

「小泉継承」は許さない
政治公約と政治的良心の矛盾に同情も

2006.9.21

安倍氏は現内閣を辞してから総裁選に立候補すべきだった

自民総裁選で安倍氏選出

 9月に入り徐々に秋の気配を感じる中、次期総理になるであろう自民党総裁を決する選挙が行われた。安倍、麻生、谷垣の3氏は自民党時代から良く存じ上げており、何れも見識ある政治家と思っていただけに、この総裁選挙の様子を見るにつけ、コップの中の争いにもならない迫力不足に政治家として忸怩たる重いです。
 3氏とも小泉内閣の中枢にまつりあげられ、「小泉改革」を継承すると云っておられる反面、格差是正、地方重視等を訴えており、小泉総理の暴走によって蓄積された「負」の遺産とも云うべき事柄を見直さなければならないと力説しておられる。  恐らくこれが本音であろうと察するが、ならばすぐさま内閣を辞し、現内閣が進めた政策の間違いを総括の上、きっちり反省をして総裁選に立候補するべきであったと思わざるをえない。
 党内の圧倒的な支持を得て総裁に決まった安倍晋三君は、私にとっては、お父上の安倍晋太郎先生にご指導を賜ったこともあり、3氏の中でも殊の他身近な存在であった。何れ父上の思いを継ぎ、総理になって頂きたいとの気持ちであっただけに複雑な心境である。
 党内の圧倒的支持と云っても、勝ち馬に乗りはぐれてはなるまいという力学が働いただけで、真の支持ではないことは、晋三君ご本人も承知であろう。
 お父上は非常にお人柄が良く、人望も厚い調整能力にも長けた政治家であられたが、晋三君も父上譲りの人柄の良さがむしろ案じられてならない。
 小泉総理が進めた弱肉強食の政策は社会に格差を生み、治安の悪化や、果ては身内による犯罪を増進してきたという事実を直視すれば、到底現在の日本が晋三君の目指す「美しい日本」とは思っていないはず。
 しかし、小泉政治を継承すると公約し、そうせざるをえない状況に追い込まれれば、内なる自分の政治的良心との矛盾で大きな葛藤があるのではないか。晋三君の人柄を知るだけに、小泉総理ほど非情になりきることは出来ないであろうことから、むしろ同情の念を禁じ得ない。
 その気持ちとは別に晋三君であれ誰であれ「小泉改革」なるものを継承するということを許すわけにはいかない。ここまで破壊された故郷日本を立て直す為、我々国民新党は戦うのみである。
 奇しくも総裁選挙同日の20日に現在の国民新党の大型街宣車に加え新たな大型車が完成、27日より発進する。来年の参議院選挙に向かい、本格的な臨戦態勢に向かっております。いよいよ頑張って参りますので、宜しく。
(国民新党代表代行)

※無断転載を禁ず

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