夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【1】”宇宙人”小泉から日本を救う!!
2003.01.09

直談判効果無し

 明けましておめでとうございます。今日から夕刊フジで週一回連載を担当することになった。政治や経済だけでなく、世の中のさまざまな出来事に対する、率直な思いを書きつづっていきたい。たまには暴言や脱線発言もあるかもしれないが何卒ご容赦いただきたい。
 さて、日本経済の危機的状況は今年も続いている。昨年後半、日経平均株価は8000円台で停滞し、完全失業率は5・3%(男子5・6%)で完全失業者は338万人。上場企業倒産も戦後最悪を記録した。
 あまりにヒドさに私は年末、最後の助言と思って首相官邸を訪ねたが、小泉純一郎首相と現状認識が180度違うことに愕然(がくぜん)とした。
 私は「全国の中小零細企業は惨澹(さんさん)たる状況だ。明日というより今日も見えない。地方の商店街を見てほしい。みんなシャッターを下ろしてゴーストタウンだ。補正予算を通常国会でやるのではなく、臨時国会を延長して成立させるべきだ」と必死に訴えた。
 これに対し、首相は「今が我慢のしどころだ」と言い放った。
 深刻な経済についての認識はなく、構造改革がうまく進んでいると信じているようだった。狂気の沙汰(さた)だが、経済が悪化して企業がどんどんつぶれ、1日100人以上の自殺者が出ることが改革だと信じているようだった。

 銀行国有化近い

私が「どうしても溝は埋まりませんね」と言うと、首相はまじめな顔で「そうですね」と語った。まるで宇宙人と話している感じだった。
 そうしたなか、竹中平蔵金融・経済財政担当相のハードランディング路線におびえる金融機関は、自己防衛のため貸し剥がしを続けている。倒産企業は続出、まともに年を越せない人々が街にあふれた。
 政府はやっと産業再生機構による企業再生プランを出してきたが、つぶす企業と残す企業を政府が決めるという、社会主義国でもやらない代物だった。銀行の国有化も近づき、自由主義経済は形骸(けいがい)化しつつある。
 体に例えると、血液が回らず肉体が腐りつつある状況だ。口では「デフレ脱却」といいながら、実際はデフレ推進策を推し進める首相。日本という国は「待ったなし」の土壇場に追い詰められた。
 「小泉政権が続けば国が滅びる」と確信した私は年の初めを迎え、日本を悲惨な末路から救い出すため、同志議員たちと新たな決意をした。すべて国を救い国民を救うためだ。
 中には本心では「その通り」と感じていても、小泉政権の支持率の高さに腰が引ける同志もいる。私は「それでもお前は政治家か!」と喝を入れたい。本当の勝負はこれからだ。

※無断転載を禁ず

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