夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【27】小泉打倒へ王道で立ち向かう
2003.07.10

 日本はいつから北朝鮮のような独裁国家になったのか?
 先週末、小泉純一郎首相が9月下旬に行われる自民党総裁選を1カ月ほど前倒しすることを示唆したーとマスコミが報じた。総裁再選後、9月中旬にも臨時国会を召集してテロ特措法を成立させる。10月前半にも衆院を解散して、11月に総選挙に打って出るといった戦略だという。(首相は7日夕、『総裁選は規程通りに行いたい』といい、前倒しを否定した)
 テロ特措法を成立させたいなら、この通常国会で処理すればいい。通常国会の開会中に、秋の臨時国会について語るなんて不謹慎極まる。「自分に都合がいいから」と総裁選の日程を勝手に前倒しようなんて、まさにファッショだ!
 こんなことは絶対に認められない。総裁選の前倒しは、党総務会や両院議員総会の了承を得なければできないが、わが志帥会(江藤・亀井派)も平成研(橋本派)も宏池会(堀内派)も断固反対の姿勢だ。
 首相は先日も「総裁選後に内閣改造を行う」などといい、反小泉勢力に人事のエサを投げていたが、今度は衆参同日選をイヤがる公明党にも「年内の解散総選挙」のエサを投げ始めた。永田町ではその手のエサに食いつく政治家は「いじましい」と軽蔑(けいべつ)されるが、何より首相自身が不遜(ふそん)というしかない。
 「政策転換」もチラつかせているが、首相がトップを務める財政諮問会議は「平成16年度も超緊縮予算を継続する」と決定しており、政策転換のアメ玉がウソっぱちであることがよく分かる。
 現職首相ならば、正々堂々と実績と政策で勝負すべきである。この2年間で日本経済をどのぐらい成長させ、国民生活をどこまで改善して、他国からどれだけ信頼を勝ち得たかを胸を張って示すべきだ。それが政治の王道ではないか。
 その自信がない(=多くの経済指標が過去最悪を記録している)から、悪あがきのように、同僚議員や連立与党に口先でエサをぶら下げてみたり、総裁選日程をズラすなど姑息(こそく)な策をろうしているのではないか。
 一国の首相がそんな猿知恵で踊るものではない。自らの寿命を縮めているとしかいいようがない。
 以前から、このコラムに書いてきたが、われわれは次の総裁選で新政権を作る決意を固めている。日本を破滅に追い込みかねない小泉路線ではなく、国民の方々に未来への希望や期待を抱かせる、新しい経済改革や教育改革、社会保障改革、安全保障改革などをトータルで提示する予定だ。
 具体的な政策に加えて、新政権の幹事長や財務相、外相といった党役員・閣僚の人事を一挙に発表する。これで国民の方々にも、新政権がどういった政治を目指しているかが実感として分かっていただけると思う。
 本来、国会閉会後を予定していたが、首相サイドが早く仕掛けてきたので、こちらも近く動き出す予定だ。首相が覇道でくるならば、われわれが王道で勝負しようと思う。

※無断転載を禁ず

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