夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【36】オペラ見に行く首相に弱者の苦しみ分からない
2003.09.11

激励メール続々

 自民党総裁選が始まった。悪政・失政と言うべき、この2年半の小泉政治に決別する日が近づいている。苦しめられ続けた中小零細企業や個人商店の経営者、各種団体の方々が自らの意思を示す絶好のチャンスといえる。
 最近、私は全国各地を飛び回って自らの政権構想を訴えている。先日も都内の運送会社を訪ねてきた。同社の社長は「年々荷物が減っており困っている。将来の見通しのある経営をしたい」と訴えられた。
 そこで、私の景気回復のための経済政策を説明したうえで、「高速道路の夜間無料化」という独自プランを披露した。社長は「それは救世主だ。ぜひ、やってください」と目を輝かせてくれた。
 不況による経費カットのため、営業用トラックは高速道路を利用しにくい状況が続いているという。一般道を走るため時間的にもロスが出るうえ、事故も多発しているという。夜間無料化は業界を劇的に活性化する可能性が高い。
 下町の商店街も視察してきた。個人商店はかつての3分の1まで激減し、チェーン店ばかりが目立っていた。商店街の雰囲気は大きく変わり、地域の親睦(しんぼく)を深める夏祭りの参加店も減ったという。人々が支え合い生きてきた地域共同体の崩壊を心配せずにはいられなかった。
 首相は政府専用機でオペラは見に行くが、こうした市井の人々の暮らしを見ようとはしない。だから、「丸ビルや六本木ヒルズには行列ができている。どこが不況なのか?」といった信じ難いコメントができるのだろう。
 私はこの連載で一貫して訴えてきたが、小泉改革が目指すものは一部の強者が弱者を食らうアメリカ型の弱肉強食社会であり、そうした政治が2年半も続いたことで、日本社会に「自分さえ良ければ、他人はどうなってもいい」という風潮が広がりつつある。これが日本人の幸せだとは到底思えない。
 こうした思いは国民の方々も共有しているようで、私のインターネットのHP(http://www.kamei-shizuka.net)には、「夢のある社会にしてほしい」「経済も危機的ですが、日本人の心の崩壊こそ問題」といった、救いを求めるメールが続々と届いている。
 先週末、都内のホテルで開かれた石原慎太郎都知事の後援会の会合に呼ばれ、こうした話を1時間ほどしてきた。そのさい、都知事は千人前後の人々の前で、「息子は小泉内閣の閣僚で女房は首相の遠縁にあたるが、この時代、首相にふさわしいのは亀ちゃんしかいない」と激励してくれた。今後、全面支援してくれるという。大変感激した。
 投票日まであと10日間、日本人の良心を信じて、全身全霊をかけて国民や党員、同僚議員の方々に訴えかけていきたい。

※無断転載を禁ず

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