夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【38】総裁選で民主主義の危機を実感
2003.09.25

残念な結果…

 自民党総裁選が終わった。選挙期間中、先輩・同志議員の方々、秘書や後援会のみなさんが全力を尽くして、私の政策や考え方を国民・党員の方々に伝えていただいた。結果は残念だったが、これはすべて私の不徳の致すところ。支援していただいた方々には、心から感謝を申し上げたい。
 この総裁選で心から感じたことは、他人への思いやりを失った日本人の悲しい実態だ。いくら周囲の人々が倒産や失業、収入激減で苦しんでいても、自分が直接影響を受けなければ無関心でいられるのだ。

戦いはまだ続く

 確かに、統計上の完全失業者は6%に満たないが、就職をあきらめた高齢者や若いフリーターを含めると実体は惨澹たる状況。小泉政治によって大企業は潤っても、弱者や中小零細企業にどんどんシワ寄せがきている。5年連続、自殺者3万人という数字を異常だと感じないのか。それらに目をつぶって「自分さえ良ければいい」というのは、末期的な世相を反映している。
 永田町はさらに悲しい限りだ。
 政策や政治手法は絶対反対なのに、党幹部を含めた国会議員の多くが「選挙の顔になる」「役職が得られそうだ」といった損得勘定で投票していた。国会議員は芸能人に群がるファンとは違う。これでは国民の生命と財産を預かり、未来に責任を持つ者の資格はないのではないか。
 国民の規範となるべき国会議員がこんな体たらくで、どうやって子供たちを教育していくのか。信念や理念を曲げて損得に走った人間が、「ウソをつくな」「他人を思いやれ」と胸を張れるのか。日本の民主主義の危機を実感した。

頑張れ安倍晋三

 先日、党の新執行部が発表された。安倍晋三幹事長は私もよく知っているが、政策に詳しく、正義感の強い清新な人材だ。日本のこうした危機を突破するために、ぜひ頑張ってほしい。
 私も改めて「日本を放っておけない」と感じている。ますます政治への意欲がわいてきた。今後も美しい日本を取り戻すための、力強い日本をつくるための戦いを続けていく。

※無断転載を禁ず

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