夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【44】経済再生も教育改革も自立外交もできる!!
2003.11.06

選挙戦も大詰め

 総選挙は終盤戦に突入した。私は全国各地を回って、日本のひどい現状と、あるべき姿について訴え続けている。「このままでは日本に未来はない。美しく力強い日本を取り戻そう」と声がかれるほど呼びかけている。
 まずは経済の再生だ。株価は最悪時より戻したが、実体経済は依然として危機的状況で、地方経済や中小零細企業、高齢者、弱者が切り捨てられる惨状が続いている。
 デフレ不況下での超緊縮財政路線をただちにストップして、科学技術の振興や生活環境の整備、防災などに思い切った財政出動を行い、内需中心の景気回復を図るべきだ。
 教育改革も待ったなし。日本の未来を託す子供たちの「学力低下」や「心の崩壊」「犯罪増加」は看過できないレベルに達しつつある。
 基礎的学力を徹底的に鍛えるとともに、若者だけでなく日本人全体に蔓延しつつある「自分さえ良ければ、他人はどうなってもいい」という利己主義を払拭して、「自分だけでなくみんなで幸せになろう」という「共生の思想」を取り戻さなければならない。
 外交面での課題も多い。最近の日本外交は独立国家としての意識に欠け、安全保障や対外経済政策において、国家の利益を顧みず相手に言うべきことを言わない、譲歩するだけの妥協外交となっているが、これではダメだ。
 国際協調を頭に入れながらも、独立国として誇りと尊厳を持ち、国益を思い切って主張するのが外交だ。米国とも真の同盟関係を築くためにも、言うべきことは主張しなければならない。
 こうした私の考えを披露すると、多くの方々が強い共感を寄せてくれている。同志諸君とともに勝利への十分な手応えを感じている。
 今回の総選挙について、「政権選択の選挙」という見方があるが、果たしてそうだろうか?
 小泉純一郎首相と民主党は政策などで共通点が多く、民主党は選挙のために無理やり争点を作り出そうとしている気がする。私と首相との政策や理念の違いの方がはるかに明確だ。
 その一方、私が自民党総裁選で掲げた「高速道路夜間無料化」をマネしたのか、総選挙に入って民主党は「高速道路無料化」を言い始め、小泉内閣も「首都高速などの夜間割引」を打ち出してきた。与野党で政策が入り乱れ、国民の方々に区別しづらくなっている。
 こうした混乱を整理して、国民の方々に「この国のあり方」「目指すべき国家像」を判断していただくためにも、近い将来、政界再編が起こるような気がする。そんなことを予感させる総選挙となっている。

※無断転載を禁ず

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