夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【74】消費税を福祉財源補う目的税に
2004.06.24

年金問題介護など含めた社会保障のビジョン示せ
あす参院選公示

 あす24日、第20回参院選挙が公示される。7月11日の投開票日に向かって、わが自民党の候補者たちは全身全霊をかけて有権者の方々への訴えかけを展開していく。
 党執行部は「責任ラインは51議席」などと語っているようだが、単独過半数を奪還する「57議席」が最低ラインであり、小泉純一郎首相の後見人である森喜朗前首相が話していた「60議席以上」を目標とするのが筋だろう。
 ただ、私も全国各地を応援で回って肌で感じているが、最近になって年金国会のゴタゴタや自衛隊の多国籍軍参加などが引き金となって、自民党に対する支持が低下しつつあるようだ。

自民支持が低下

 年金制度に関しては、政府自民党としてもう一度、年金だけでなく介護や医療、税金も含めた、中長期的な社会保障のビジョンを示すべきだと思う。
 私はかねがね、日本に生まれた国民がどんな境遇にあっても、ある一定レベルの生活基盤が国家から保証される「福祉ミニマム」を設定したうえで、年金と介護、医療、税金を一体的かつ抜本的に改革すべきだと訴えている。

簡単な仕組みを

 そのためには、消費税を福祉財源を補うための目的税とするしかない。すべての国民が「日本に生まれてよかった」「日本人になってよかった」と感じるような分かりやすい仕組みに変えるべきである。
 多国籍軍に関しては、国民の間に「米国の言いなりで大丈夫なのか?」という不信感が高まりつつあることに十分注意すべきだ。
 首相が「多国籍軍に参加する」と決断した以上、自衛隊が派遣されているイラクの現状から目をそらすことなく、憲法と自衛隊に関する政府見解を明確にして、国内外ともに自衛隊の行動が理解されるよう努めなければならない。
 人道復興支援に限ったとしても、今月末に政権移譲されるイラク新政府の意向を改めて確認して、多国籍軍や新政府との間で自衛隊の安全確保について法的義務などを明確にすべきだ。「まず、参加ありき」では国民にも理解されない。
 今回の参院選は、こうした政府自民党のスタンスを国民が判断する重要な選挙となる。国民に対するていねいな説明が不可欠といえよう。

※無断転載を禁ず

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