夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【84】「政治とカネ」の透明性確保を
2004.09.02

億単位の経費が

 自民党の平成研究会(旧橋本派)が、日本歯科医師連盟(日歯連)から1億 円の小切手を受け取りながら政治資金収支報告書に記載しなかったとして、東京地検特捜部は先月29日、同会の会計責任者を政治資金規正法違反容疑で逮捕した。
 私とは別の政策集団ではあるが、極めて残念というしかない。改めて、「政治とカネ」の問題について、私なりの考えを述べたい。
 まず、政治活動にお金がかかるのは日本だけの話ではない。米国でも大統領選では数百億円はかかるという。国家国民のために政治活動を続けていくには、2000万円少々の議員歳費だけではとても無理だ。
 私には、東京と地元・広島に21人の秘書がいる。政策立案のための調査活動を行い、地域から国への要望を処理するには必要不可欠な人数だが、国から支給されるのは政策秘書と公設秘書2人の3人分だけだ。
 その他、事務所家賃や文書通信費、交通費、活動費など、どうしても億単位の経費がかかってしまう。これは多少の差はあるが他の国会議員も同じで、法律の範囲内で善意の献金を集めざるを得ないのである。

大多数はマジメに

 以前、わが党の加藤紘一元幹事長が政治資金の使途について「公私混同」を指摘されたことがあった。実際、政治資金の処理過程において、公私を区別するのが難しい場合もあるだろうが、加藤氏をはじめ大多数の国会議員はマジメに政治活動に使っているのが実態である。

国民に明らかに

 今回の事件で痛感したのは、政治資金の透明性を確保することが、いかに重要かということだ。国民のための政治活動を続けていく以上、その出入りについては、国民に対して明らかにしなければならない。
 先日、わが志帥会(亀井派)でこんなことがあった。
 7月の任期満了で参院議員を退任して、弁護士として再出発される佐々木知子氏が、島村宜伸事務総長に次のような申し入れをしてきた。
 「政治活動費が500万円ほど余った。ついては、これを志帥会の政治活動に使ってほしい」
 この500万円は政治資金規正法に従って適切に処理し、志帥会として有効に使わせていただくことにした。国民の方々は政治資金について不信感を持っているようだが、こういう政治家も多いことを知っていただきたい。

※無断転載を禁ず

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