夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【特別版】亀井吠えた「小泉は自滅」「青木森はかわいそう」
2004.09.30

ゼロ回答でコケにした

 小泉純一郎首相(62)が強行した党役員人事・内閣改造をめぐり、自民党内から「党内融和無視」「身内重用」「独裁人事」などと批判の嵐が吹き荒れている。3年前の小泉政権誕生以来、首相に真正面から苦言を呈してきた亀井静香元政調会長(67)は本紙の掲載コラム『これから勝負だ!特別版』で、「首相は自滅の道を選んだ」などと一刀両断した。
ー党3役と第2次小泉内閣の感想は
 「首相自ら『死に物狂いで改革を断行しようという気持ちはない』と言うことを表明した役員人事・内閣改造だ」
ーどういう意味か
 「(人事や改造の)入口で改革について論議することを拒否した。真剣に改革を進める気なら、党内のいろいろな意見を聞き、知恵や人材を集めるはずだ」
ー各派からの推薦はほぼ無視された
「私も首相に電話して『我が派にもそうそうたる人材がいる』として、青山丘(63)、萩山敏厳(72)、松岡利勝(59)、古屋圭司(51)、の各氏を閣僚候補に、島村宜仲農水相(70)と谷津義男氏(70)を3役候補に推薦した」
 「各派とも同様に直接または間接的に推薦しているはずだ。(それを無視したならば)挙党態勢が取れるはずがない。(3役から亀井派と堀内派を外すなど)派閥のバランスも考えていない。とんでもない話だ」
<亀井派からの入閣は島村農水相と留任した中川昭一経済産業相(51)の2人。堀内派からは村田吉隆国家公安委員長(60)だけが入閣した>

「郵政改革あきらめ内閣だ」

ー首相は「郵政改革実現内閣」といっている
 「嘘だよ。『郵政改革あきらめ内閣』だろう。(自分に逆らわない)身内を重用しただけだ」
ー野中広務幹事長(78)は「全閣僚に踏み絵を踏ませるなど、(軍部独裁の)東条英機内閣以来の恐ろしいことだ」と話していた
 「確かに、議会制民主主義、政党政治の原則を踏まえていない。民主主義の基本は『話し合いと説得』だが、首相にはそれが皆無だ」
ー首相の出身派閥・森派だけが、閣僚を3人から5人に増やした
 「森さん(喜朗前首相=67)が要求したとは思えない。電話で話したが『私はこんな人事は言っていない』と相当怒っていた。本当にバカげている」
 「あそこまで『首相のために』と思って汗をかいた森さんと青木さん(幹雄参院議員会長=70)を首相はコケにした。青木さんにはゼロ回答だから。2人がかわいそうだよ」
<青木氏が幹部を務める旧橋本派は、久間章生総務会長(63)が3役入りしたが、閣僚には若手の伊藤達也金融担当相(43)と棚橋康文情報通信技術担当相(41)が一本釣りされ、派閥の意向は完全に無視された>

「小泉は山拓と『道行き』をしたかったのか」

ー山崎拓氏(67)の首相補佐官は「一番信頼できる友人と『道行き』(=首相の好きな歌舞伎に例え、死者の旅の意味か)をしたかったのか…」

「皇帝にでもなった気持ちか」

ー党内には「首相のおごりがでた」との意見もある
 「ツァーリー(=皇帝)にでもなった気持ちじゃないか。だが、その結果は首相自身が被ることになる」
ー看板である郵政民営化にしても、国民への説明不足が目立つ
 「郵政民営化が緊急の課題とすれば、(数便貯金と簡易保険を会わせて350兆円とされる郵貯資金が)国債や財政投融資の減資になっていることだが、この原資をゼロにして日本経済や国土形成に責任が持てるのか」
 「郵貯資金がどうなるかは、国民生活に多大な影響を与える。首相はこうした処方箋を示していない。(郵政資金の)自主運用の見直しで対応できないのか。処方箋なき民営化を進めれば、国を危機にひんしさせる可能性がある」
ー首相には郵政以外の熱意はあまり感じられない
 「やるべき事は山ほどある。まず、景気を良くしなければならない。中小零細企業対策は待ったなしだし、中央と地方の関係を見直して、壊滅的な地方経済を何とかしなければならない。首相には現状が見えてないのか…残念だ」
ー党内のムードはどうか
 「人事については、ほとんどが反対だね。『小泉ではダメだ!』『自ら小泉包囲網を作った!』という意見をあちこちで聞く。首相は自滅への道を自ら選んだ」
ー亀井さんは今後、どうする
 「国家国民のために主張することは主張し、行動するときは行動する」

「行動するときは行動する」

※無断転載を禁ず

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