夕刊フジ連載

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亀井静香のこれから勝負だ!
【116】郵政めぐる「神崎発言」は友党とはいえ、”内政干渉”
2005.05.28

合成形成の最中に

 9日朝の新聞を見て、私は腰を抜かしそうになるほど驚いた。  何と、公明党の神崎武法代表が前日の記者会見で、郵政民営化法案が廃案となり解散総選挙となった場合、公明党として、自民党の反対派議員には選挙協力しない可能性を示唆したというのだ。
 同法案が自民党総務会で反対派多数となり、党議決定がかかっていないことは神崎代表も十分承知しているはずだ。いくら連立を組んでいる友党といっても、現在、自民党内で合意形成を図っている最中に、他党の代表が口を挟むのは、“内政干渉”と言わざるを得ない。
 これまで自民党が公明党の政策合意の過程で、「反対派は選挙協力しない」などと圧力をかけたことがあっただろうか?  あるはずがない。
 そもそも、現在の郵政公社は小泉純一郎首相が2年前にスタートさせ、首相自身が民間から招いた生田正治総裁のもとで、日々、サービス向上や経営の健全化に励んでおり、国民からも高く評価されている。
 そして、公社発足時に4年後の見直し規定を付けた責任者は首相自身なのに、その結果を待つことなく、党内の手続きも無視して、解散風で議員を脅しながら法案成立をゴリ押ししようとしている。
 このため、われわれは「民主的な手続きを踏むべきだ」「首相と側近の独裁政治を許すな」と党内で必死に働きかけているのだ。これはファッショを排除し、民主主義を取り戻す戦いなのだ。

自民党議員らも抵抗感

 神崎代表がヒトラー的な首相に助太刀することは、公明党のためにも、支持基盤の人々のためにもよくないのではないか。解散総選挙を恐れた裏返しの発言かもしれないが、心ある自民党議員らは「神崎代表の記者会見は行き過ぎだ」と、強い抵抗感を感じている。
 自公時代、私は自民党政調会長として公明党と政策協議しながら、自民党と公明党の主張とすり合わせて、より幅の広い政策合意をまとめた自負がある。現在でもそれを誇りに思っている。
 政党の連立とは、党同士がお互い節度を守って協力し、国民のためによりよい政策をつくって実行していくことに意義があるはずだ。神崎代表には、よくよく考えていただきたい。

※無断転載を禁ず

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