夕刊フジ連載
郵政民営化法案の反対派旗頭、綿貫民輔元衆院議長(77)を代表に担いで「国民新党」を立ち上げた亀井静香元建設相(65)が19日までに、本紙のインタビューに応じ、小泉純一郎首相(63)の独裁政治に対する怒り、新党戦略、刺客として浮上するライブドアの堀江貴文社長(32)への思いを明らかにした。この中で、亀井氏は民主党の小沢一郎副代表(63)や無所属の田中真紀子元外相(61)の手腕を高く評価、選挙後の政界再編に向け、両氏らと連携することを示唆した。
真紀子にもエール
すごい反応、出馬の申し出殺到
--新党の反応は
「すごい。著名な文化人から、全国の県議や市議から『新党から出馬したい』という申し出が殺到している。早急に立派な候補を選んで小選挙区に立てたい。HPにも激励メールが次々と届いている。アクセスだけで1日に3万件近い」
--スタートは5人だけだが
「予定通り。今後、大きなうねりとなる。大きくなっても、小さくなることはない。母船は出航した。乗組員はどんどん増える。私の地元・広島では、自民県議団の全員が『党本部や県連がどんな指令を出しても、亀井を支援する』と決定した」
--新党5つの約束(1国民の声を聞く2国民の命を守るーなど)は小泉政治へのアンチテーゼか
「その通りだ。首相は国民を不幸にする破壊を続けてきた。戦後最大の倒産件数、年間3万人の自殺者ー。冷酷にも同志を殺すため、刺客を放ち、絶対服従の者だけを集めている。古代王国の専制君主もしないことをしている」
「君主が道を踏み外したら、側近が止めないとならない。ところが、首相の歓心を買おうと、みんなが同志殺しに走っている。それをマスコミも国民も喜んで見ている。奴隷とライオンの殺し合いを観戦していたローマ市民のように…。自民党だけでなく日本がおかしくなってきた」
小泉政治終わらせ世の中変える
ホリエモン刺客なら対立軸できる
--妨害も受けた
「ガセネタを流された。「○○が新党から脱落した」や「○○がたもとを分かった」とか。効果はなかったけどね」
--反対派で新党参加を見送った人には
「それぞれ事情がある。無党派じゃないと当選できない選挙区もある。当選後に手を携えてやればいい」
《反対派の中心メンバー、平沼赳夫前経産相(65)や野田聖子元郵政相(44)らは無所属での出馬を選んだ》
--民主党から田村秀昭参院議員(72)が参加したことで、「小沢副代表とも連携している」と伝えられた
「最近、会っていない。ただ、自公で過半数が厳しい場合、いままでの政権の枠組みではやれなくなる。そういう時に国民新党は中心的役割を果たさざるを得ない。『あそこが好き』『あっちは敵だ』と言うわけにいかない。政策や理念が一致する中で政権をつくっていく」
--小沢氏をどう評価するか
「大変なリーダーシップと政策理念に生きるという強烈なオーラを発している人だ。そういう意味では政治家として評価している」
--真紀子氏との連携は
「私は声をかけていないが、村山内閣で一緒だったから仲はいい。すごいバイタリティの持ち主だ。彼女が外務省改革をやろうとしたことは正しい。首相は役人の肩を持って更迭したけどね。彼女の改革への方向性や情熱は正当に評価されなければならない」
《平成6年発足の村山富市内閣で、亀井氏は自社さ連立の立役者として運輸相として入閣、真紀子氏は科学技術庁長官として初入閣した》
--3人とも「反小泉」では一致している
「一致しています」
--将来、一緒に組めるか
「政策や理念が一致することが大前提。それ抜きに『連携の可能性あり』とか『ない』とか言っても仕方ない。単なる数合わせではダメだ」
《産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の世論調査では、選挙後の政界再編に期待する声が81.8%に及んだ》
--「野中広務元官房長官(79)に出馬要請した」とも伝えられた
「野中氏とはしょっちゅう電話しているから…。『頑張れ』『おっ、頑張るよ。助けてよ』なんて話はした」
田中知事と考えは近いが…
--長野県の田中康雄知事(49)への出馬要請は
「私はしていない。別の人(が要請したか)は知らない。以前、派閥の勉強会に講師として呼んだから面識はある。『無駄な公共事業はしない』『地方を大切にする』などの考え方は近い」
--国民新党の訴えは有権者に届いているか
「首相の独裁強権手法への批判がジワジワと広がっている。この4年間で、日本社会はごく一部の勝ち組みと大多数の負け組みに二極化され、『権力と金力を握る勝ち組みは何をやってもいい』という風潮になりつつある。こんな社会がまともなはずがない」
--亀井氏の地元・広島6区の刺客として、自民党が堀江氏を擁立する話がある
「ホリエモンなら早く来てほしい。政治理念や政策について堂々と戦える。『お金で世の中を支配しよう』という人と、『心の繋がりを大切にするのが政治』という明確な対立軸ができる」
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