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平成18年4月18日 衆議院国土交通委員会 代表質問


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林委員長 亀井静香君。

亀井(静)委員 発言の機会をいただきましたことを、まずもって感謝を申し上げます。

 私が今から申しますことは、もう当たり前のことをあえて申し上げるわけでもありますけれども、公正な競争が万般にわたって行われるということが国民の物心とも豊かになっていくことにとって不可欠であるということは、これは当然のことであろうと思います。

 しかしながら、この四、五年、小泉さんのせいにばかりするわけじゃありませんけれども、小泉改革と称せられて、この日本列島、大変な事態に今陥っておると思います。

 大臣、もう御承知だと私は思うわけでありますけれども、地方は特にひどく、からからになっておるのが今の実態であります。人と物と金がこの東京に集まっておるわけでありますから、東京はこの世の楽園というような感じかもしれませんけれども、地方では、御承知のように、商店街はシャッター街にどんどん変わっていっております。

 また、自分たちの郷土を、いろいろノウハウの違いもある、会社の規模も違う、しかし、みんなで力を合わせてこの郷土をつくっていこうという、そうしたいわゆる建設業界も、今やもう惨たんたる状況に陥っております。私の長年の友人、二十七年近く政治家をやっておりますが、かつてこんなことはありません、六名の零細な業者がみずから命を絶たれました。私と非常に親しい方であります。こんなことは、かつて例がないことでもあります。

 こうした激しい競争がいろいろな分野で行われておること、メリットも確かにあると思うわけでありますけれども、今や我々の心の分野までそれによって破壊をされて、お互いがばらばらにされてきておる状況が今なお進んでおると私は思います。

 私は、国土交通省の分野においてもそれが激しく進んでいることについて、もちろん、北側大臣は極めて聡明で実行力のある方でありますから、日ごろから御期待申し上げておるわけでありますけれども、ぜひこのことを国土交通委員会においてはしかとひとつ受けとめていただきたいと思って、きょう発言の機会をいただいたわけであります。

 公正取引委員会、きょうお見えをいただいておりますけれども、私は公正取引委員会だけの責任にしようなんという気は毛頭ございませんけれども、私は、かつて政調会長のときに、私の部屋に公取の幹部に集まっていただきまして、公正な競争を促進するためにどんどん悪質なものを摘発していくということは大事なことだけれども、ただ、あなた方に聞くけれども、競争が百メートル競走なのか、一万メートル競走なのか、マラソンなのか、終点を明らかにしてくれないか、競争競争に疲れ果てた後の日本の社会がどういう社会になるとあなた方は思っておるのかということをお話しした経験がございますが、この四、五年、非常に状況はさらに悪化をしてきておると私は思います。

 公取の方に私は一つちょっとお聞きしたいんですが、カルテルと、悪質なカルテルを摘発されるのは当然でありますけれども、一方、不当廉売をこの四、五年、どの程度摘発されておるのか、この点をまずお聞きしたいと思います。

上杉政府参考人 私どもでは、先生御指摘のとおり、正式な事件としてカルテルを多数摘発いたしておりまして、その中には談合事件がたくさんあるということでございます。

 他方、私どもの考え方からいたしまして、カルテルというのは、競争を非常に減殺する程度が大きいということで、悪質な行為と認識をしておりますけれども、他方で、いわゆる不公正取引というものがございまして、これは、いわば中小企業等が適正な競争上の機会を持つためには、やはり公正な競争をすることが担保されなければいけない。

 したがって、そういった中小企業が被害を受けそうな行為というものに、優越的地位の濫用でありますとか不当廉売とか、こういう行為類型がございますので、これらについては厳正に対応しているつもりでございますが、何分、特定の分野で、不当廉売につきましては、過去、ガソリンでございますとか、それから酒につきまして、かなり集中的な情報提供がございましたので、そこに対しましては迅速に対応するということで、ちょっと今手元にはありませんけれども、かなりの件数の注意等の処分あるいは警告等の処分を行っているわけでございますが、その他につきましては、情報に接することがなかなか多くないものですから、今のように、全体の件数ということであればかなりの件数をやっておりますけれども、ほかの建設業等になりますと、それほど多いとは言えないと考えております。

亀井(静)委員 私は、あなたをいじめるために来たわけじゃございませんから、資料をお持ちでなければ具体的な数字は結構ですけれども、商店街が、どんどん出店をしてくるスーパー等の大型店の大変な廉売によって、店を閉めざるを得ないという状況が全国で蔓延していることを、私は、この東京に事務所のある公取の幹部だって御承知であろうと思います。

 私は、不当廉売について、公取がどんどんその地域社会の商店を、窮状をきちっと調査をして守る活動をしたということは、私にはどうも残念ながら記憶がございませんが、もしそういうことをおやりになっているとすれば、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

上杉政府参考人 先ほど、件数がちょっと手元になかったということで申しわけございませんでしたけれども、今ございますので、ちょっと紹介させていただきますが、平成十七年におきまして、酒類についての不当廉売ということで注意をさせていただいたのが三百九十七件、ガソリン等につきまして百三十件、家電製品について二件、その他七十八件ということでございます。

 そこで、私どもの不当廉売面についての対応ということのお尋ねでございますので、最近の取り組みをちょっと紹介いたしますと、ガソリンにつきましては、考え方、どういう場合に違反になるか、違反になるおそれがあるんだということが明らかになっているということが重要だということでございますので、これは早くて平成十三年十二月に、ガソリン等の流通における不当廉売、差別対価への対応ということで考え方を出させていただきました。それから、酒類につきましても、同じような時期に同様の考え方を出させていただいております。

 それから、公共建設工事における低価格入札というものが結構新聞をにぎわしたというものがございまして、平成十六年には、その取り組みの考え方を出すというようなことで対応させていただいておりますし、他方で、官公庁の入札におきまして、一円とか一万円とか採算を度外視した入札というのがあったということで、これまた考え方を平成十三年の折に出させていただいております。これが大体、我々の取り組みでございます。

亀井(静)委員 御努力をされておることは了といたしますが、そういう部門を担当している職員その他は増強していますか。あのとき、私は、幾らでも人員増等、お手伝いをするということまで言った記憶があるんですが、そういう面について、予算上その他、公取の中においてそういうことを増強して、不当廉売を防いでいくという具体的な処置をされておりますか。

上杉政府参考人 具体的な事件を調査するということでございますので、私どもは、審査局というのが具体的な事件の審査をするところでございますが、審査局に公正競争監視室というものを置きまして、ちょっと具体的な人数、数名、恐らく五名から十名の間というふうに記憶しておりますけれども、それぐらいの担当を本局に置いておきまして、それで、東京の情報管理部門に不当廉売に関する情報がございましたならば、そこで不当廉売等の、先ほど言いました、中小企業に不当に不利益を及ぼすような行為について専門に調査する審査官を置いて対応しているところでございます。それから、地方事務所、七カ所ぐらいございますので、そこに担当が一名ぐらいいて対応していると思います。

亀井(静)委員 建設業関係が多いと思いますので、その分野についてのちょっと、事務総長、あなたの基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思うんですけれども、従来、地域社会で、さっきもちょっと申し上げましたけれども、いろいろな業者がいろいろなそれぞれの得意の技術を持ちながら、お互いに自分のところだけが受注を独占しないで、自分たちの村社会における、みんなが施工能力があれば、これを助け合いながら、そこでも仕事をやってもらうという形の中での、いわば話し合いみたいなものが伝統的に日本ではなされてきたと私は思うんです。もちろん、その弊害がないとは言えませんけれども。

 今、草深い山の中にまで東京に本社を置くゼネコンがどんどん乱入をして、二億、三億のそうした仕事を東京に本社のあるゼネコンが受注をしていく。しかし、本社の職員が菜っぱ服を着て作業をやるわけじゃありませんから、二〇%あるいは三〇%を切って、そうして地元で実際工事をする業者にこれを下請として使っていくという、そうしたいわば商社的な役割に、昔からそれはありましたけれども、なっていくという状況が全国的に今もう一般化をしています。

 そうした中で、もう地方の建設業者というのはどんどん店じまいをせざるを得ない、倒産をせざるを得ないという事態に陥ってきておりますけれども、事務総長は、それでいいんだ、ゼネコンは信用力もあるし、後のフォローアップにしても信用ができるから、そこが責任を持つという形で、そういう地方発注の仕事もどんどんとっていっていいんだ、それが自由な競争だというふうにお考えですか。それとも、日本は、やはり北海道から沖縄まで、その地域社会においてみんながいろいろな分野で協力をしながら生きていっている、そうした日本人の伝統的な生活の中で、地方の郷土づくりについても地方の力をやはりそれにつぎ込ませていくというやり方というのが、いわゆる談合という二文字で片づけて、ばらで激しい競争を二億、三億の物件についてさせていくというようなことがいいとお思いですか。ちょっと聞かせてください。

上杉政府参考人 公共工事につきましては、発注者の側で、最も適正な業者に仕事をさせるべく、一般競争入札に付すとか指名競争入札に付すとか、いろいろな対応をされていると承知いたしております。

 そのような形で、つまり、発注者が、ある形で競争を前提にして発注されたという場合に、例えばそれが指名競争入札であれ、一般競争入札であれ、競争するという前提で発注された場合に、その入札の前にあらかじめだれが入札すべきものというふうに決める、これは我々は入札談合と認識しておりますし、法令違反であって許されないことだと考えております。

 他方、発注者におきまして、それぞれの経済社会の実情に応じて、どの範囲の業者に競争させるか、そういうことについて、あるいはジョイベンという形を採用してなるべく多くの業者がそういう経験をシェアできるようにするとかいうような、そういうことになるのであれば、それは我々としては、特に我々の観点からは問題があるとは考えておりません。

亀井(静)委員 私がかつて捜査二課長をしておりましたとき、いわゆる談合事件類似の事案がたくさんなかったわけじゃありませんが、先ほど言いましたように、ばらの形で競争させた場合は、力が強いところがとって逃げるのはこれは当たり前の話ですね。地域社会においても、力の強い業者と弱い業者、たくさんこれはおるわけですね。それを、あなたのおっしゃるような形で、指名競争であれ、一般であれ、一切の話し合いとか、お互いにもうみんなで幸せになっていこう、あの会社だけが特別に次から次に資金力に物を言わせてとっていくということじゃなくて、みんなが仕事を分け合っていこうという、私はその気持ちが悪いとはどうしても思えない。

 だから、私がやっておったときには、悪いボスが談合金を分配するような形で、結局、長期にわたって利益を独占するような談合はやれ、そうじゃないものはやる必要はないという仕分けをしておったわけですけれども、当時は公取もそうでしたよ、検察もそうだったよ。いつの間にかしら市場原理、市場主義、そういう考え方が、もう今大きな中央の工事だけじゃなくて、地方の工事にまでこれが浸透しちゃってきて今地方は大変な状況になっている、そういう現実があります。

 どうですか、みんなで相談をして、そうして技術力もいろいろ違いますよね、それで同時に出てくれば、みんなでそれを話し合って、お互いに仕事を分担して郷土づくりをやっていく、そういう日本の社会というのはやはりいかぬのですか。聞かせてください。

上杉政府参考人 繰り返しになりますけれども、私どもは、発注者が競争を前提に入札をされた場合に、その前提に反して、あらかじめ受注予定者を決めてしまうというようなことは、これは法令に違反することでありまして、私どもはその法律を執行する役割を与えられた公正取引委員会でございますので、そういう法令違反の情報に接した場合には、これは厳正に対応せざるを得ないものというふうに考えております。

亀井(静)委員 私は警察におったから言うわけじゃありませんけれども、交通規制の場合、例えば八十キロ規制をしていて五キロオーバーしたからすぐ交通違反だ、そんなことやりませんよね、警察だって。法律にはやはり目的があるはずだ。その目的に照らして、著しくその地域における競争を阻害しているということなのか、一部の者たちがこれは利益を得ているという状況が起きておるのか、そういうことを抜きにして、もう話し合いをしたら法律上談合は成立するからやります、今それをやっているんだよね。先ほど来言っているように、そういうことをやった結果、その地域社会が、東京に本社のあるゼネコンに全部、受注した金は、例えば庄原市に、私の地元につけた予算は東京に来ちゃうんですよ、簡単に言うと。

 そういうことの中で、それで、今ですら地方に金は出さぬということが、小泉改革で金がどんどん切られていっている中で、執行の面においてもそういう事態が今全国的に起きているという、そのことを私は全体の問題として言っている。それについて公取が、法律違反なら、八十キロを五キロオーバーしているやつを捕まえるんだ。同じような形で、こうした人間の営みなんですよね、これ。道路をつくり、ダムをつくっていくということも、これは人間の営みなんだね。その営みが、これが害を流しているのか、そうじゃないのかという実体的な判断を抜きにしてやっていった場合は、簡単に言うと、強者の社会があなた方のバックアップのもとで生まれてくるという、現在そうなっちゃったでしょう。

 もうあなたにばかり聞きませんけれども、さっきからろくな答えしていないから。しかし、よくこのことを考えてくださいよ。あなた方が、どうしたら日本人が幸せになっていけるんだろう、その地域社会がどうなっていくんだろうということを考えながら公取の行政をやっていくということがなければ、私は、惨たんたる状況になると思う。

 では次、続いてちょっと国交省の方に。

 私、新聞を見てちょっと腰を抜かしたんだけれども、この間、予定価格の四六%で落札をしちゃっている、あ、違う、五〇%少々で落札をしているという記事が載りました。まさか国土交通省はそのまま発注しないでしょうね。お聞かせください。

渡辺政府参考人 今委員の御指摘の四六%と言われた件でございますけれども、この件は……(亀井委員「中身はいい。発注するかどうか」と呼ぶ)これにつきましては、低入札価格調査ということで、私どもで定めております予定価格に対する低入札価格の調査を実施するための基準がありまして、その基準より下回っているかということで、その調査を実施いたしました。

 その結果といたしまして、公告の内容でありますとか仕様書等の契約の内容に適合した履行が可能であるということから、三月の末に契約の締結を既にしているところでございます。今の四六%というのは、ちょうど数字でいいますと夕張シューパロダムのものだというふうに思われますので、その件につきましては、既に契約を締結しているところでございます。

亀井(静)委員 あなたは優秀な局長だというふうに私は聞いておったんだけれども、本当にいいの、そういうことをやって。

 では聞くけれども、予定価格の算定というのはどうなっているんですか。だれが考えたって、半分以下の、あるいは半分程度のがほかにもたくさんあるけれども、そういう価格で受注をして、ちゃんとしたダムがつくれるんですか。

 いいですか。私は運輸大臣のときに阪神・淡路大震災に出くわしたけれども、高速道路の橋げたがばたばたと倒れているじゃないですか。その中には、いいですか、局長、鉄筋でやるべきところを竹使っていたところがあるの。手抜きですよ。

 予定価格はちゃんとしたダムをつくるということでできておる以上、四六%の値段でどうやって洪水が起きないようなダムがつくれるんですか。おれ頭悪いのかな、ちょっと教えて。

渡辺政府参考人 調査の実態を少し御報告させていただきますけれども、この調査をした結果でございますけれども、受注したといいますか、落札した業者が、内容的には利潤が見込まれていないということ、それから、手持ちの機械が使えるということによりまして諸経費が抑制されるということ、そのほかさまざまな特別な事情というものがあるということで、それらを勘案した結果、施工が可能である、こういうふうに判断したものでございます。

亀井(静)委員 河川局長、あなた方はそんな甘い予定価格で税金を使うことを考えているの。国民の税金は、そんな使い方したらいかぬでしょう。四六%でつくれるようなダムをあんな予定価格で出していいんですか。これは子供が考えてもわかる話だ。

 一つ心配なのは、こんなことを発注するの、したら下請、孫請の仕事の値段はどんなことになっていくか、だれが考えたってわかるでしょう。本社が、受けたゼネコンが利益を出さぬからといったって、彼らは下請、孫請に仕事を出すんでしょう。東京に本社のあるゼネコンの社員が菜っぱ服を着て行ってやるんじゃないんでしょう。ひどい値段でどんどん下へ下へと行っちゃう。今の社会と同じなんだ。そんなことをやって、あなた方は発注者としてちゃんとしたことをやっていると思っているの。これはおかしい。

 それと、そういう無理な仕事をやって、いいですか、私の家建てるんだったら、それはひっくり返ったって何てことはないんだけれども、ダムでしょう。それがそういう状態でつくられて、地域住民というのは安心していられるの。つくればいいというものでは私はないと思う。これは契約解除しなさい。

渡辺政府参考人 この件につきまして、やはり今委員の御指摘のように、心配される部分は、工事が手抜きされるとか、下請にしわ寄せが行くとか、それから労働条件が悪化するとか、安全対策が不徹底になるとか、そういうことが心配されるわけでございます。そういうことから、いわゆるダンピングという意味におきまして、ダンピングであれば、公共工事の品質確保ということから排除すべきもの、こういう認識をしておるところでございます。

 今回につきましては、そういう意味合いから、下請契約が締結されて工事が一定程度進捗した段階など、適時適切にきちっとした立入調査等を実施する、そういうようなことを含めまして、また、下請に対する支払い状況につきましてきちっと調査をする、そういうようなことを通じて、こういうことのないようにということで監督していきたいというふうに考えております。

 もし、調査の結果、改善が必要な場合とかそういう場合につきましては、建設業法に基づきます勧告、監督処分等の措置を講ずるなど、厳正また適正に対応していきたい、こう考えているところでございます。

亀井(静)委員 もう決めたことなら、国民のだれもおかしいと思うことでももう直さない。そんなことを役所が今後どんどんやっていった場合、どうなるんですか。それこそ役人天国じゃありませんか。四六%で生命、身体、財産に大変影響があるダムの建設が具体的になされるということについて、ほかも全部同じようになっている。予定価格なんて、そんなものは全然信頼性がないじゃないかということになっちゃう。

 ぜひこれは、局長、もしそれができないというなら、あなたはすぐ、工事が始まれば菜っぱ服を着て現地に泊まり込みで、手抜きがないか、全部あなたが直接監視しなさいよ。でないと、こんなことが許されるはずはない。

 あと、私は大臣を大変信頼しておりますので、そんなむちゃなことを私は部下にやらせられる大臣とは思っていないから、後からお聞きしますけれども、もう一つ、今度よく官製談合ということが言われていますね。官製、言われている。役所が今のような予定価格の半分以下でやったっていいみたいなことを勝手にやるような、そんな状況で役人が当該物件について業者との間に入っていろいろするということは、私はこれはけしからぬと思う。そんなむちゃくちゃなことを平気でやっていくという前提で業者と役所の間に入って、では調整をしていくなんということを言ったら、これはろくなことにならないです。

 しかし、役所が計画を立て、予算をつけた後も、私は、執行について役所が責任を持つべきだと思いますよ。そのためには、その当該業界に対して、やはり、この物件についてはどこが大事なんだ、どうなんだ、そういう技術的なことを含めて細かく連絡をする。そうして、ただ仕事をとればいいというんじゃなくて、その仕事の機能、性格等を十分理解をした上で業者は受注をすべきだと私は思う。そのために、役所の担当官がいろいろとそういう面での技術的なアドバイス等をしていくということは、私は何も問題ない。

 ところが、今はそれをやると御用だ御用だといって、官製談合だという形でやられているけれども、私はそういう面についても、今物事がすべて四角四面、今局長が言ったように、もう発注をしちゃおうというような、そんなことをやっているけれども、国民の生命、身体、財産を守るという国土交通省の大変な使命からいうと、中身においてもうちょっと責任のある態度をとっていくべきだと私は思いますよ。大臣、どうですか、最後に。

北側国務大臣 私、森内閣のころに、亀井政調会長と、私も政調会長で、一年間、ウイークデーは毎日御一緒をさせていただきまして、懐かしく、久しぶりに亀井節を聞かせていただいて、大変に私も感銘をしております。やはり政調会長亀井先生の、弱者、弱いところにちゃんと目を置かれて、視点を置かれて物事を見られている姿というのは全くあのときと御一緒だなというふうに思いながら、きょうのお話を聞かせていただいておりました。

 一つは低入札の方でございますが、これはかなり、先ほどの五〇%を切った例というのは極めて特異な例だと思います。例外的な事情もあったというふうに聞いておりますけれども。

 ただ、そこで下請に対するしわ寄せだとか労働条件の悪化だとか、そして何よりも、公共工事という、多くの方々が利用する構造物です。当然、そこは安全性というのが大前提の問題でございまして、そこについては、これからしっかりと、そうした低入札工事についてはチェックをさせていただきたいというふうに思っておりまして、この間、その辺の低入札、実を言うと最近少しふえておりまして、カメラで監視するだとか、先ほど河川局長に現場に行けとおっしゃいましたけれども、そういうことも考えるぐらい、本当に我々国土交通省の人間が現場に行って、本当にきちんとやっているのかどうか、そういうのも厳しく監視することも今後考えていきたいというふうに思っております。

 また、公共工事の性格というのは、あくまでいいものをつくるということが国民にとって一番プラスなわけでございまして、いいもの、いい品質のものを、長く使えるものを提供していくということがやはり我々国土交通省、国の大きな役割であると思います。そして、それでできるだけ安ければ安いほどいいわけでございまして、ただ、その大前提としてはいいものをと。そのいいものを、いい品質のものを提供していくために、やはりいろいろな知恵、工夫は働かせる必要があるわけでございますし、私どももしっかりと、業者の方々にもそういうことはきちんと伝えていかないといけないというふうに考えております。

亀井(静)委員 どうもありがとうございました。

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