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平成20年2月22日
国土交通委員会 答弁者:福田康夫


2008年2月22日 国土交通委員会 3/1



2008年2月22日 国土交通委員会 3/2



2008年2月22日 国土交通委員会 3/3



亀井(静)委員 国民新党の亀井静香でございます。  きょうは、冬柴大臣、大変奮闘しておられるので、与党ではありませんが、激励を申し上げたいという意味も込めて質問に立たせていただきます。総理も頑張っていただきたいと思います。

 道路問題について、連日、国会でいろいろ議論をされておりますけれども、必要な道路はつくらなければならない、無駄な道路は一道といえどもつくってはならない、当たり前のことだと思うんですね、こんなことは。こんなことについて、私は、国民もわかっておると思うんですね。それをがちゃがちゃがちゃがちゃ、毎日毎日、国会で議論をしちゃっていて、私は、国民の目から見て、こういうわかり切ったことについてはわかり切った結論を出してくれということだと思いますよ。

 要は、必要な道路をつくっていこうと、国土交通省がきちっとやればいいだけの話です、本来は。予算が余った場合は使わなければいいんですよ。そういうめり張りをつけていくことが大事なのであって、この委員会で幾ら資料を出してああだこうだ、いい、悪いと言ったって、我々が北海道の果てから九州の果てまで、この道路が必要かどうかわかるはずないんだ、こんなことは。

 また、今の、私は、ここにマスコミも来ているけれども、道路をつくるのが悪いことだみたいな妙な空気が醸し出されていると思います。はっきり言って、マスコミがあおっていますね。私は、これは本当に国家のためによくない。

 この日本列島、言ってみれば災害列島ですよ。台風は来る、地震は起きる。ライフラインを日本列島の隅々まできちっと必要なものを張りめぐらせるというのは、私は政治の当然の責任だと思いますね。そういうことをきっちりとやっていくのが当然のことを、私は、ごちゃごちゃやったって、国民は、何をやっているんだというだけの話ですよ。

 きょうは総理もおいでですけれども、そのことも大事だけれども、二十五円ガソリン代が下がるか上がるかという、与野党、うちとは別でありますけれども、やっているけれども、総理もおられますけれども、どうですか、今は。日本列島に大きな波が押し寄せているんじゃありませんか、原油高の。これは投機による原油高という要素が高いわけですから、福田総理といえども、御自分だけではなかなか制御できない。各国と協調して制御の御努力をされにゃいけませんけれども、しかし、そう簡単にいくはずもない。

 であれば、この大波から国民生活をどう守るかという問題。私は、民主党も、二十五円ガソリン代を下げればいいという問題じゃない。灯油もあれば、軽油の問題もありますね。こうしたことについて、総理、政府として、みんなが安心する対策を今出しておられますか。また、政府も、自公も出しておられますか。また、民主党もそういう案を出していますか。(発言する者あり)聞いていないね、おれは。ちゃんとしたものは聞いていない。

 手前みそで言うわけじゃありませんけれども、総理、国民新党はマスコミが相手にしてくれません。記事でも、ちっちゃいことしか出してくれない。だけれども、この緊急事態、やはり国民生活を守るという観点から、二十五円を下げるというだけじゃなくて、やはりきっちりと差額を、安定しておったときの、例えばレギュラーでいえば百二十円、それ以上については国が責任を持って、例えば領収書を市役所、区役所の窓口へ持っていけば、その差額を払うといいだろう。四、五兆円あれば足りるんですよ。

 アメリカは、ブッシュ大統領は、国民が困ってきたという状況の中で、十六兆円の、御承知の、やるんでしょう。事実上、私が言っているのも減税かもしれませんが、これは原油高はどこで制御できるかわからない、そういう意味では臨時の措置になるかもしれませんが、財源、財源とすぐ口を酸っぱくして特に自民党の皆さんは言うけれども、埋蔵金だ何だかと、何もそんな名前つけなくたって、外為特会の運用利益の一部を使ったら、四、五兆円なんてすぐ出てくるじゃありませんか。なぜこれを使ったらいかぬのですか。そういうことをやってでも、困っている国民をちゃんとガードするということが私は今大事だと思うんですよ、緊急避難的に。

 ぜひ、総理、二十五円どうというちまちました議論ばかり、総理も本当に、飽き飽きとは言いませんけれども、いいかげんにしろというお気持ちだろうと思うんですよ。必要な財源は必要だというのは当たり前だ。こうした大きな波からどう守るかという視点から私はぜひ対策を至急出していただきたい、このようにお願いいたします。

 それから、冬柴大臣、あなたの母体の公明党は庶民の党だと言っているんだから、庶民が悲鳴を上げれば、もう悲鳴を上げています。国民新党と一緒に提案しませんか、共同提案。構いませんよ、我々は。

 私は、やはり、今政治が大きく動くときだと思うんです。ちまちましたことで議論をしていくということじゃなくて、ぜひひとつ真剣に考えていただきたい。

 まず、総理、どうですか。

福田内閣総理大臣 私の大先輩から、今、御意見をいただきました。ちまちましたところにこだわらずに、どんといけ、こういったような趣旨だと思いますけれども、本当は私もそうしたいところです。したいけれども、現実はなかなか厳しくて、何しろこの国会でもって予算を通さなければいけない、関連法案も通さなければいけない、でないと国民生活に大変な影響、悪い影響を与えてしまう、そういうことが頭から離れないものですから、ちまちましたことになっちゃう。

 しかし、これは、とはいうものの、大事なことですから、一つ一つ丁寧に御説明を申し上げるということに徹しておるわけでございます。

 道路は、つくるべきものはつくるべきだ、もっともなことでございます。また、要らない道路をつくる必要はない、これもごもっともでございます。

 そこで、私、昔のことを思い出しました。十年前ですけれども、亀井自民党政調会長のころ、ダム建設をやめようじゃないかということを提案されまして、これは随分やられましたよ。本当に力を入れて、私もその下で、部下で働かされましたけれども、でも、随分数多くやったと思います。ああいう、要らないものは要らないという、その精神だと思います。

 これから私どもが道路をつくろうという提案を申し上げる。それは、やはり要らないものはつくる必要ないのでありまして、本当に必要なもの、これから日本の経済社会のために、そして国民のために必要なものに限ってつくらせていただこう、こういう精神でございますので、その政策実現のために、またひとつどうぞよろしく御協力を賜りたいと思っております。

 今、原油高とかいったようなことで大きな問題がございます。原油高以外にも、サブプライム問題といったような問題も大きく取りざたされておりますけれども、その影響も我が国も受けていないわけはないんです。ですから、ここで何かしろ、こういうふうなことになるので、私ども、本当にやりたいですよ、やりたい。減税もしたい。だけれども、今のような国債残高のあの規模を考えますと、それよりも、何とかして財政の健全化ということも考えなければいけないなというようなことも、これも当然、両方考えるわけでございます。

 そういうところで、余り思い切ったことはできません。しかし、今ある制度の中でどういうことができるかということは、いろいろ考えております。原油高対策ということでは、昨年の十二月に、寒冷地における灯油に対する支援をするとかいったようなことも決めました。中小企業対策も決まりましたし、また、おとといですか、中小企業対策として金融対策ということを取りまとめまして、これは三月末、もうじきですけれども、三月末に困ることがないようにというような、そういうことも今いたしております。

 そういうような、小さい、けれどもしかし着実に実施できるような、そういう政策をいろいろ積み上げていこうと思います。あわせて、中小企業の足腰を強くさせるような政策も、これも同時並行でやっていこうというようなことをいたしております。

 亀井先生から見れば、大したことじゃないじゃないかというふうに言われるかもしれぬけれども、そういう努力を今積み上げておる最中でございまして、また、今後も、日本の経済活性化ができるような政策を一つ一つ丁寧に、そしてまた、なるべく早く対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。

亀井(静)委員 ありがとうございました。

 冬柴大臣、ひとつ。

冬柴国務大臣 亀井先生とは、先生が自民党、私が公明党のときに、大分いじめられました。そして、一緒に自公連立になったときには、大変御指導いただきまして、人柄にも触れました。今、こういうふうにして、郵政民営化以降でございましょうか、このように分かれていますけれども、先生との連帯感は本当に深いものがあります、私は。そして、尊敬もしています。

 それは、たしか森内閣のときだったか、私も幹事長で先生と大変いろいろありまして、そのときに、不良債権の処理を急がなければだめだということで、緊急経済対策をつくりましたね。そのときに私がいろいろ献策をしたら、おまえ書いてこい、そのまま入れてやるということで、そのまま入れていただきました。

 そういう思い出もあり、先生との政治上の、大変私は尊敬もし、そしてその発想についても尊敬しているところでございます。しかしながら、今私は、これが最良のものとして提案をいたしまして、そしてこれを年度内に成立させてほしい、ひれ伏してもこれはお願いしたい、これを国民に御理解いただきたいというのが私の今の立場でございますし、心からそのように思っています。

 確かに私も庶民です。本当に、大臣になろうが、私は庶民であることは間違いありません。私は庶民の目線で見られる政治家だと思っています。その中で、いわゆるガソリンの暴騰あるいは燃料油の暴騰というものは本当に庶民の生活を直撃していて、大変苦しんでいらっしゃるということはよくわかっています。そういう意味で、今総理もおっしゃいましたけれども、年末の対策、あるいは今また中小企業が大変苦しんでいらっしゃいますからそれに対する対策、そういうものを万遺漏のないようにやろう。

 それから、ドライバーについては、本当にささやかですけれども、強制保険の保険料、これはハンドルを持つ人はだれでも払わなきゃならないものでございますが、九千二百六十円、ガソリンの二十五円に換算したら三百七十リッターですか、それだけに相当すると思います。これは減らす。

 それからまた、高速道路の通行料を減額させていただくということで、これもドライバーが使われるものですから、特に長距離のトラックで使われる方は、そういうものについて割引が厚くなるようなことも今考えているわけでございます。

 そういう意味で、先生の御指導、大変ダイナミックでございますけれども、今私は、着実に、今私がやるべきことを国民の目線に立って頑張らせていただきたい、こういうふうに思っているところでございます。

亀井(静)委員 ありがとうございました。

 総理も大臣も、今予算のことで胸がいっぱいだ、また今野党との局地戦で大変だということかもしれませんけれども、ぜひひとつ、これは同時にやれることですから、真剣にお取り組みをいただきたいと思います。

 今、もう質疑時間が終わりましたといただいたんですが、まだずれ込んでおりますから、委員長、もうちょっとやらせてください。

竹本委員長 はい。

亀井(静)委員 委員長の許可をいただきましたので、ちょっと若干。

 今、御承知のように、食の安全、空の安全、海の安全、陸の安全が言われておりますけれども、いろいろな事件、事故も起きておりますが、私は、国交省というのは、安全という意味においてはやはり最大の責任のある、また安全を確保できる省だ、このように思っております。

 私は、かつて運輸大臣のときに、スチュワーデスをアルバイトにするという非常に強い動きが民間会社で出てきました。そのときに、お茶くみじゃない、緊急時においては大変な安全要員だから、定員まで決めて配置をしてもらっているんだ。それを、コストを下げるというだけでアルバイトに切りかえるということをしてはならないということで、航空会社にお願いをして取りやめていただきました。

 私が運輸大臣のときに、函館でハイジャックも起きました。あのときのスチュワーデスの働きも私にはよくわかっています。お茶くみじゃないんですね。また、いろいろな事故が起きたとき、世界じゅうでも起きております、日本でも着陸時に外国の航空機がということもありましたね、やはり緊急事態において機長と一体となって乗客の安全を守るという面においては、私は重要な安全要員だと思っておるんです。

 ところが、最近、私は運輸省がそれをやれと言っているとは思いませんけれども、大臣、御承知じゃないかと思いますが、またこれを派遣のスチュワーデスにかえようという強い動きが今出ていますね。私は冬柴大臣を信頼申し上げておりますから、そういうことはないと思いますけれども、コストダウンすればいいということだけで航空会社が黒字になるものじゃない。特に、人を大事にしないという、安く使えばいいというような経営だけやって、交通機関としての責任を果たしながら利益を上げていくということは、私は長い目で見れば不可能だと思います。

 そういう意味で、私は、国交省の大変な責任というのが強いと思いますので、一言大臣から御所見をいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 安全、安心の国土をつくる、また安全、安心こそ国土交通省の使命である、私は口を開けばそのように言っているわけでございます。そのような意味で、我々の子供や孫たちも自信と誇りを持てるような安全で安心の国土をつくるために、また、今おっしゃいましたいろいろな陸海空の運輸も担当させていただきますと、そういう特に安全ということが大事である、私はそのように心の底から思っておりますので、今お話しいただきましたことも重く受けとめたいと思います。

亀井(静)委員 もうちょっと、本当に終わりにします、総理もお忙しいでしょうから。

 それと、イージス艦の、これは私は、やはりたるみだと思いますよ、基本的には。緊張感がない。これは総理、幸いあなたのような人柄の非常にいい方が総理になられた、これは大変いいことなんです。一方では、それをいいことにして、冬柴大臣なんか立派だけれども、閣僚がちょっとたるんでいる面もあるんじゃないですか。政府がたるめば、やはり役人もみんな自然とたるんでいくんですよ。私は、ぜひ引き締めていただきたい。

 それと、こういう事故が起きれば、被害を受けるのは大体ちっちゃい船なんです。ぜひ、大型船舶の航行アニマルといいますか、この安全アニマルを……(発言する者あり)私は語学がどうもだめなものだから。ぜひ安全マニュアル、これをおつくりいただいて、徹底をする御努力をぜひひとつお願いいたしたい。

 以上です。どうもありがとうございました。

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