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たくさんの方からお力を賜り、新たな決意

 いよいよ年末も押し迫って参り、皆様方には慌ただしくお忙しい日々をお過ごしのことと拝察致します。

 さて、去る12月18日、私の志帥会会長就任を祝う会をホテルニューオータニ鶴の間にて開催し、約3000名もの方々にご来駕賜りまして盛会裏に終えることが出来ました。この場を借りてご報告申し上げ、心より御礼申し上げます。祝賀会開催に際し、200名に上る友人知人が発起人をお引き受け下さり、また年末のご多端の折りにも拘わらず諸先輩、同志議員などを初め各界の方々が私の為に駆けつけご激励を賜りました。私は足らざる者であるけれどなんと果報者かと感謝すると同時に、一方で大勢の方からお力を賜り応援して頂く身でありながら、依然景気回復の打開策を実行できず、多くの弱者や地方を切り捨てていくことに対して無為でいることを許していていいのかと、新たな覚悟が沸いてきました。当日賜りました中曽根康弘先生初めとする各お祝辞及び私の今後の決意を述べた謝辞は全文、当ホームページに掲載する準備を進めておりますので後日ご覧下さい。

 さてそのような新たな覚悟を以て来年も頑張ろうと決意した折りも折り、私が目指している「日本人本来の美しい魂を取り戻し、全ての生きとし生けるものとの共生の社会を創る」に通じる映画を見ました。「ラスト サムライ」というその映画は皆様にも是非ご覧になって頂きたいと思いますが、残念ながら私共が感動してしまうほど日本人の魂を描ききっているのが日本人ではないということは驚嘆すべきことです。大儀のない闘いを強いられ「名誉・勇気」を失い、魂をなくしたまま自分の命の置き所をさまようかつての南北戦争の英雄オールグレン大尉、明治維新の大きな流れの中で先人達が守り受け継いできた価値観、日本人として失ってはならない精神の有り様を疎かにし一足飛びに西洋化を目指して心の通わない文明のみ追い求めることを是としない最後のサムライ勝元、その精神性を是としながらも、安易に西欧文明の模倣をする取り巻き達との板挟みに苦悩し流れに抗えない明治大帝、これらの登場人物を象徴するように絢爛に咲く桜の花の背景が印象的でした。勝元が古きものと新しきものを結ぶ刀として大尉に与える「今古有神奉志士」の刀も共生の精神を大いに語っていると思います。やがて己の命を顧みず、また犠牲を払ってまでも愛するものを守る、村落共同体の心を守るという大儀を全うすることによって、人々の心に忘れつつあったサムライの精神、日本人の魂を蘇らせるというクライマックスを迎えるのであるが、私達日本人に日本人のあるべき姿を示唆してくれる映画でした。

 先程の祝賀会の謝辞でも述べましたが今日本は幕末・大正・昭和初期に匹敵する大きな曲がり角に直面し、アメリカ流の市場原理万能、競争原理至上が日本の社会を覆ってしまっています。私達日本人が忘れつつある武士道は、心技体、相手を見据えての真剣勝負をしながら、自分さえ助かれば等と後ろ向きの精神ではなく損を承知で共同体を守る為前へ前へと進まなければならない。日本人の誇りを取り戻させ、芸術と文化と産業が融合した「美しく力強い日本」を復活再生し、更に生きとし生けるもの全ての幸せの為サムライ精神で頑張ろうと新たな覚悟が感動と共に沸いて参りました。 今年も残り僅かで新しい年を迎えますが、私と共に皆様方にもどのような国家を目指すべきか、我々日本人の精神はどのようにあるべきかお考え頂き更に行動することによって日本の未来に大いに関わって頂きたいと切に願うものであります。

2003年12月26日 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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