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自衛隊イラク派遣の国会承認について

 本日の衆議院本会議に於いて自衛隊イラク派遣の国会承認が可決された。
 私は予てより国会議員の良心に従って行動すると申し上げた通り、自分の信ずる良心に従った。審議入りしてからの政府説明を聞いても、現状況下に於いてイラクが復興段階に入ったとはとうてい納得できなかったからである。先だっての記者会見や志帥会総会、その他折々で私は以下のように主張してきた。
 「イラク特措法に基づいて自衛隊を派遣することには賛成です。
 問題はイラクが法の予定している状況であるかどうかである。
 現在がそういう状況にあるとはとうてい考えられない。
 戦火の中に同盟国である米国を支援するために入るのであれば、自ら守れる体制をとり集団的自衛権の行使について政府見解を変更し、国会で議論した上で法的根拠を明確にして派遣すべきである。
 先日、陸上自衛隊の先遣隊がイラク南東部のサマワに到着したが、日の丸をつけた自衛隊の装甲車が、 米軍やオランダ軍に護衛されている映像を見て、国辱的な光景だと感じた日本人は多いのではないか。
 これに何も感じないなら、民族の魂が誇りを失ったと言わざるを得ない。
 尚、これはあくまでも私の個人的見解であって政策集団会長としてではない。各々が政治家としての良心に従って行動すべきである。」
 今日に至るまで、様々の方が私の将来や政策集団の会長という立場を案じて再考を促して下さり、お気持ちには深く感謝しながらも、今回は私なりの信念を通させて頂いた。政治家は国家・国民の為、世界の為戦争をなくし平和を維持し、人命を守ることが何よりも大切な責務であると考えている。これは私が政治家を志した当初からの信念である。我々政治家が無為でいるならば、異国で国家を背負い、不条理下にも拘わらず成果を期待され任務に励む自衛官に対して済まないという思いでいっぱいである。今後も自衛官の安全の確保を最優先に考え、集団的自衛権に対する政府見解の見直しを将来の憲法改正も視野に入れて積極的に主張していきたい。
 国会承認が可決された現時点では各々の賛否は別として、厳しい状況下で任務を遂行しなければならない自衛官に敬意を表し、何事もなく無事戻られることをただ祈るのみである。

 異国にて 任務に励む 我が同胞 何はともあれ 無事を祈らん

 尚、夕刊フジ1月29日の号でも私の見解は詳しく述べておりますのでご参照賜りたい。

2004年1月31日 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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