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人生67年、衆議院勤続25年、功無きを恥ず。今からの生きざまで総括する!

 テロ組織の許せぬ残虐な蛮行によって命を奪われた香田証生青年に心から哀悼の意を捧げます。
 それにしても残念でいたたまれない結果である。テロ組織に囚われて当初「退避勧告されている危険なところに不用意に行くのが間違っている」というような報道があり世論もそのような風潮に傾いていた故か、ご両親の「支えていただいた多くの方々に、大変なご心労を・・・心からお詫び申し上げ、お礼と感謝の気持ちでいっぱいです。」この言葉と共にイラクの平和を願っておられたが同年代の子を持つ親としてご両親のお気持ちを考えると余りにも痛ましく胸に迫る思いであります。と同時に政治家として異国において無辜の同胞の命を救えず、成す術もなかった無力さに腹立たしさを感じております。
 二度とこのような事があってはならないし、看過してはならない。今後の日本のイラクへの復興支援のあり方を考える上で重く受け止めなくてはならないと考えております。
 イラクに大量破壊兵器が見つからなかったことからも、アメリカのイラクへの攻撃の正当性を顧み、また昨年日本が自衛隊を派遣した折りに想定していたのとはイラク情勢は全く異なり、現在の状況を冷静に分析した上で誤りは正していくべきである。我が国がアメリカの真の同盟国として、世界の平和に責任を果たすためにはアメリカに追従するばかりでなく、意見することも必要である。その上で自衛隊派遣の延長については慎重に議論をし、再考すべきであると考えます。
 前述の香田青年は新聞報道によるとボランティア活動にも励む正義感の強い青年であったようである。ビデオで自分が置かれている状況を語り「すいませんでした」のお詫びの言葉と「日本に戻りたいです」の言葉が忘れられません。この上は残されたご両親始めご遺族の方々に、より大きな痛手や悲しみが降りかからないよう努め、ご冥福を祈るばかりであります。
 先週の土曜日(10月30日)遅ればせながら新潟の地震被災地の方々を何某かでも元気付けられればとの気持ちで現地にお見舞いに伺いました。2日前の志帥会総会の際、どのような形で支援したら良いかという議題で、物資は足りているので現地に励ましにいくことが何より有り難いとの提案によるものでしたが、被災者にお会いしてこちらが元気付けられました。不足な事の注文よりも、有り難いという感謝の気持ちを以て我々を迎えてくれました。この方々の明るい顔を見て、皆で肩を寄せ合って感謝し助け合う正に「日本の美風」に触れた気が致します。
 イラクの痛ましい事件による香田青年のご両親の姿と、我が国の天災により、痛めつけられながら必死に耐えて頑張っている人々の姿を見て、私も政治家としてこの先何年活動出来るかわかりませんが、あらん限りの力を振り絞り決死の覚悟で成すべき事をしていかなければならないとあらたな闘志が沸きました。折しも本日が私の誕生日に当たり、「人生67年、議員活動25年、功無きを恥ず。今からの生きざまで総括するぞ!」との気持ちで挑んで参る覚悟であります。

2004年11月1日 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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