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郵政法案参議院にて否決、衆議院解散

 郵政民営化関連法案に関しましては多くの方にご支持を賜り、またご心配をお掛け致しましたがお陰を持ちまして8日の参議院本会議に於いて否決することが出来ました。
 ここに深く感謝し、お礼を申し上げます。
 私はこの度の郵政民営化関連法案の中身では国益に添わない、国民の為にならないとの思いを強くし、政策の上で一貫して反対して参りました。
 2院制の我が国に於いて参議院で否決されたからと云って、小差とは云え支持された衆議院を解散するなど憲政の常道から外れ、一国の総理として常識から云っても出来るはずがない解散を残念ながら小泉総理が決断されました。
 今すぐしなければならいということでもない、決して国民の為ではない一法案の否決を以て、解散などするべきではない、他に急を要する政治課題はたくさんあると思っております。
 しかしこのような有り得ない解散であっても受けて立つ他はなく、今後どのような形で衆議院選挙を戦うかは検討中でありますが、この度の良識あるご決断と覚悟をされた多くの同志議員の方々と一致団結して行動を共にしていくつもりであります。
 なお私に対したくさんのメールや事務所に電話を頂戴しておりますが対応が追いつかず申し訳ありません。
 この場を借りお礼申し上げます。
 ご質問や応援だけでなくご批判もたくさん頂きましたが、私は民営化に絶対反対、構造改革は必要無しとは決して思っておりません。
 現に私が政調会長時には223、2兆8000億円の公共事業を見直しストップさせる等多くの改革を致しました。
 ただ今回の郵政民営化法案に関しては国民の大切な資産を民間市中に委ね、むざむざと外資の標的にされないよう、また奥深い山間や漁村等の過疎地にもユニバーサルサービスが維持できる制度設計をきちんと立てた法案の中身にすべきだと考えました。
 確かに将来の日本を見据えて国家・国民を守る為の改革は必要ですが、日本は世界の預金の6割を持ち、使いきれない外貨準備高は8000億ドルを超えアメリカに400兆も貸し、外国の何れの国にも借金をしておりません。
 このような日本が現在、経済の2極分化が進み、一部の大企業や投資家が大儲けをしながら、たくさんの孫請け下請けの中小零細企業を倒産に追いみ、無駄を省く為と大勢の人員をリストラしています。
 こんなことが改革でしょうか?
 いくら改革の為とはいえ、今生きている国民に苦を強いる必要はありません。
 嘗ての日本のように内需を拡大し、あまねく国民がもっと生活しやすくする為の改革を進め、働きがいのある皆が幸せになる日本にしなければならないとの信条です。
 ご批判を頂いた方々にご理解頂けないのは誠に残念でありますが、今後もこの信念は変わりません。それを否定されるのであれば致し方ないとの覚悟であります。
 何れにしても現在は一点の曇りもなく爽やかな気持ちでおります。地方を支えている郵便局が残り、弱者を切り捨てることなく日本がちゃんとしているのであれば政治家として本望です。
 信念を貫き、今後も後世に恥じぬよう、歴史に責任を負って戦っていく覚悟であります。

美しき 生まれ育ちし 我が山河 故郷の為 吾は戦う
心晴れ 些かなりとも 曇りなし 志以て 我が道進む

2005年8月10日 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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