視点・論点

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今思うこと

 本日、小泉総理が解散総選挙を強行して目指した郵政民営化関連法案が衆議院本会議に於いて可決されました。解散から総選挙後の現在の日本の異常な状況を政治家として思うとき、私自身の無力さを痛感すると共に、このままでは日本は本当に民族の誇りをなくしたまま溶けて無くなってしまうのではないかという危機感を拭えません。
 もっとも納得し難いのは小泉総理が郵政民営化という国民にとって是非やって貰いたいというわけでもない唯ひとつの政策について、議会制民主主義を全く否定したルール違反の解散をしたこと。そして更に理解し難いことは「民意を問う」と云われた側の国民がそのルール違反を許し、しかも刺客として郵政民営化法案に反対した仲間を抹殺しにいくという手法を支持したことであります。
 しかし、この状況を生んだ要因が、大多数の国民による現状の閉塞感を打開出来ない、将来の展望が見えない焦りから、例え中身はなくとも「改革」という美名に惑わされたとするなら、我々政治家に大いに責任があると思っております。
 少なくとも私は此の流れに流されるわけにはいかない、昨年秋、永年勤続表彰を賜った際自ら誓った「功無きを恥ず、今からの生き様で総括する」を思い返し、更にこの度の選挙戦を通じて選挙区を隅なく廻ったお陰で久々にお会いした方々からの変わらぬご支援、また私自身の選挙区以外の方々やメールでも激励を賜り、何より勇気と力を頂きました。政治家として27年目にしてもう一度原点に立ち戻り、本当に身が引き締まる思いです。今更ながらに私を信じて死にものぐるいで応援して下さった方々の思い、また国民新党結成に際して頂いた激励やご期待に応えなくてはならないという使命感と新たな闘志に燃えております。
 小泉総理が誕生して4年、人間の幸せとは何かと云うことを全く考えずに改革と称して強引に破壊を進めた結果、国民所得は510兆円から506兆円に低下、反対に財政赤字は500兆から700兆円に膨らみました。そして完全に国家自身が縮み、効率至上主義、市場原理万能主義が蔓延り、我が国のDNAみんなで助け合いながら生きていくという生活文化、価値観が急速な形で破壊されてしまったことは、今日の異常事態をみても明白であります。
 小泉総理の進める改革とは 結局地方弱者を切り捨てる改悪であり、国民を不幸にし日本を破壊するのみならず、我々民族が築き上げてきた伝統文化、魂を崩壊させることでしかないと確信しております。
 私は真の改革とは一部の強者が益々強者になっていくことも否定はしないが、弱者を切り捨てない、弱者を生まない、人間ひとりひとりを大切にする社会を推進することと考えております。
 ご承知のように日本は領土も狭く資源は有りませんが、世界一お金を持っている国なのですからそれを有効に使って、何も税金ばかり遣う必要は無く民間資金を上手に使いながら爆発させれば、もっと元気に出来るはずです。国力を増強し、全ての国民を幸せにする、「みんなが日本に生まれて良かったと思う国」にしなければならないと考えております。
 私は今後も小泉総理の独裁強権的な政治手法や日本経済をアメリカに売り渡すような政策には断固反対していきます。そしてもっとも重要なのは日本人としての誇り、民族の魂の覚醒を呼びかけることです。政治家は状況におもねるのではなく状況を作らなければなりません。このひどい状況をひっくり返す為、今は理解されなくとも私は日本民族の良心を信じて、歴史に恥じないよう旗幟を鮮明にして行動していく所存であります。

今日の日を 尽くして生きる この身なら

明日は生かされ いのち輝く

2005年10月11日 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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