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現在の日本でいいのか、満を期して決戦!

 明けましておめでとうございます。
 皆様にはお健やかに新年をお迎えのことと存じます。旧年中は格別のご支援を賜り衷心より厚く御礼申し上げます。
 さて、今年はいよいよ決戦の年、4月の統一地方選挙を前哨戦に夏の陣「参議院選挙」に突入であります。一昨年の郵政解散で衆議院選挙を戦った9月、私は選挙後に「夏の陣 闘い終えし 我は今 枯れ野の奧に 紅葉訪ねん」と和歌を詠みました。実はその年の春、桜が満開の吉野で、秋の紅葉も格別と伺い、「紅葉は枯れているのではなく、来年春に芽を吹き、花を咲かせるためにエネルギーを蓄え、赤く燃え上がる」と閃き、その後思わぬ展開を経て、和歌に託しました。そして今、正に1年半のエネルギーを蓄え、満を期して選挙の年を迎えるに当たり、この折の心情が沸々と蘇っております。
 昨年秋から年末にかけて、「デフレ脱却?」戦後最長の「いざなぎ景気」などの見出しが新聞紙上で踊っておりましたが、皆さん本当にそのように思っておられるのでしょうか?私が故郷に帰りますと支持者の方は一様に「住民税は上がる一方で、わしらの生活は全然良くならない」「相変わらず中小零細企業はやってゆけない」との訴えが後を絶ちません。この現象は田舎に限ったことではなく、地方都市や東京のような大都市でも同様で一般生活者に景気回復の実感は無いのが現実です。
 現にGDP(国内総生産)の実質成長率が2%でも、物価や所得の水準と連動する国や地方の税収や歳出に重要な、国民の生活実感に近い名目成長率は依然低く、消費水準は落ち込んでいるのが現状であります。又財政赤字は5年間で400兆円近く増えました。
 現在の好景気は一部大企業によるもので、石油原価格の上昇、円安とアメリカの好景気、中国の高度成長に支えられ輸出が好調であったこと、又ここ数年のリストラによる人件費の抑制、更に下請け孫請け企業へのコスト抑制が功を奏し、莫大な利益を上げた結果です。反面、一般サラリーマンの可処分所得は減少し、又、仕事は増えたが儲けは減る一方の中小零細企業にその恩恵が行き渡っていないため、国内の需要が伸びません。
 小泉前総理が提唱した改革という名の下でグローバル化=アメリカ型の競争社会と勘違いし、市場原理最優先で大都市や大企業のみが優遇され、地方と弱者切り捨ての経済政策が格差を増幅し、社会をいびつなものに変化させました。その結果、人心の荒廃を招き、治安の悪化や、果ては身内による犯罪が増加、この5年間で日本は改革という改悪にすっかり破壊されてしまったという事実を直視しなければなりません。
 バトンタッチされた安倍晋三総理は父上にお世話になっただけでなく、ご本人の人柄から何れはと期待もしていましたが、「美しい日本」を目指すと云いながら、小泉改革を継承するという、到底折り合いのつけようのない矛盾を公然と仰るのには、がっかりです。又日々、自殺や陰湿な虐め及び事件を聞くにつけ、社会的、公的に責任のある者が、ルール破りをしても、ことさら批判することもなく、責任を追及しないマスコミ世論の責任は大きい、しかしそれにも増して一番の問題は、このような風潮に慣らされてしまった国民が弱者をより追い詰めることに「怒らない」どころか、我先に強いものに阿り、我が身にふりかからなければいいと、「他人事」で済ますような魂の荒廃は深刻であると感じております。
 このような日本では、外交政策に於いてもアメリカの言いなりになり、中国や韓国を初めとするアジア諸国に軽んじられ、果ては北朝鮮にまでなめられのは当然と思いつつ、今何とかしなければ手遅れになってしまうとの思いで一杯であります。かつての日本は民族の魂を奮い立たせて、幾度かの危機を乗り越えて来ました。この度の危機も我々の手で必ず打開出来ると信じて、私は燃えに燃えております。何時の時代も歴史は多数派ではなく、我が身を顧みない少数派によって開かれてきました。
 過半数を超えているとは云え衆議院だけで全法案を成立させることは不可能、わが国民新党は先ず夏の参議院選挙で与野党を逆転し、現在の地方切り捨て、弱者切り捨てで格差を助長する政策を転換させなければなりません。人間ひとり一人を大切にする優しい国を創るため「現在の日本でいいのか、我等の手で何とかしなければならない!」という皆様のお力を賜り、精一杯、闘って参る所存であります。
 昨年末、国民新党鹿児島県支部総会にて忙しい折に拘わらず集まってくれた党員の方々を前にして

「今日の日は 火を吹き上げよ 桜島 同士集いて 勝ちどき挙げなむ」

と即興で和歌を読み上げました。
 年頭に際し、皆様のご多幸を祈念申し上げ、本年も更なる御支援、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

我がおもい 優しき民の 国創り 大和心は 不二の山なり

2007年元旦 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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