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節分にパワー全開、鬼退治を誓う

 今年の冬は世界的に暖冬で、日本も穏やかな年末年始となりました。
 しかし、この地球規模での異常気象を「温かくて良い」と喜んでもいられないのは、この温暖化の原因が様々な環境破壊によるもので、更にそれに伴う生態系の変化は将来の地球環境と人類を脅かすものであると推察できるからです。「未来の状況に目を瞑って現在に胡座をかいている」私は今正に我が国の人心に蔓延しているのが、此のような心の有り様ではないかと思っております。現在の経済、社会政策では、目に見えないがじわじわと我が国の破壊が進んでいるにも係わらず、改革という甘い言葉に酔い、拍手喝采していることに気がつくべきです。
 国土、人口において比ぶべくもない強大なアメリカと日本は経済・社会・文化あらゆる面において価値観が異なるのは当然で、進むべき国の方向性も異なって当然でありましょう。勿論世界の土俵に合わせたグローバル化も必要ですが、改革の言葉だけでアメリカの猿マネをして肩を並べようとしても所詮無理なのです。日本には日本の風土と国民性に添った経済・社会活動があって然りです。
 私は国力=マンパワーだと常々主張して参りましたが、今日本の国力が落ちているのはそのマンパワーが爆発しないからです。アメリカや中国はもの凄い格差社会であるが故に低賃金であっても人が群がり、常に安い労働力が確保できる事によってマンパワーを維持させているのですが、我が国の今後減少傾向にある限られた人口で益々格差が拡がれば、上昇意欲が消える社会の仕組みになり、更に労働分配率が低ければ働く意欲さえ失っていくといった惨憺たる状況になっていくであろうことは想像に難くありません。
 日本の社会はアメリカや中国と違って競争だけでは成り立たない、皆で支え合う大らかでゆとりある社会の中で、意欲を持たせ良質で高度な労働力を育てることが国力維持に繋がります。
 現在の大都会、大企業重視で地方切り捨て中小零細企業を顧みない「下支えしない政策」では既に日本各地で進んでいる空洞化に歯止めが利かず、将来的に地方財政は破綻、狭い日本これ以上国土を縮めて何の得があるのでしょう。利益を上げる為にリストラを進め正規雇用を減らす等といった安い労働力の確保を優先すれば、国土は縮み、日本人のマンパワー=国力は衰えるばかりです。
 安倍政権が前政権の政策継承と謳い進めている政策は結局はアメリカに添ったもので、一部の成功者が牽引してくれれば格差が拡がっても、そのおこぼれに預かれば良いといった、凡そ「美しい日本」を目指しているとは思えない政策です。
 待ったなし、今修正しなければ日本の未来は衰退の一途と覚悟し、我が国民新党は7月の参議院選挙で自公過半数割れをさせ、我々が協力しなければ法案成立が不可能な状態に持ち込みます。そして確実に政策転換させる為、パワー全開、「鬼(悪しき政策)は外!福(日本人を幸せにする政策)は内!」

此の国に 生まれて良しと 皆思う 日本にせんと いざ鬼退治

2007年2月3日 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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