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臨時国会再開、国民新党は我が道を行く

 小泉・安倍と強硬路線を貫いてきた政府与党ですが、参議院選の惨敗から協調路線に軸足を転換するといって憚らない福田新総理の施政方針演説で臨時国会が再開した10月1日は奇しくも小泉元総理が改革の象徴としてごり押しで可決した郵政民営化の実施日と重なりました。

 しかし小泉改革で拡がった格差による地方の崩壊や国民生活の歪みに対する憂慮を払拭するための具体的な施策は新総理の言葉からは、残念ながら伺えませんでした。

 小泉元総理が改革の本丸と煽った「郵政民営化」によって我々は国民新党を結党し、見直しを党是として以来戦ってきましたが、いよいよ民営化実施という最近になってようやく世間も気がつき始め、マスコミも 取り上げるようになって問題点や不具合「郵便局を民営化して、又郵政事業を解体して何の利益があるのだろうか?」と気がついた時は、既に遅しでスタートしてしまいました。

 しかし、我々はこれに指を咥えて状況を見守っているわけにはいきません。

 既にご承知のように郵政民営化は、競争原理によって公共性が欠如し、民業圧迫など地域の崩壊と格差を助長するのみならず、大切な国民の金融資産である簡保と郵貯が市場に曝され外資によって買収される可能性があります。

 郵貯・簡保資金が無駄遣いの原因とのご指摘もありますが、郵貯簡保の資金が国債の安定した引き受け手としての役割を果たしてきたからこそ、我が国の国民生活に資する社会資本整備が整い今日の繁栄がありました。

 郵政の民営化は正に市場原理至上主義の象徴、共生と安定の日本型社会の崩壊に直結する問題と捉えております。

 過日この問題に正面から立ち向かう覚悟のない民主党との共闘関係を凍結したのもその為です。

 かつては与党の一員でありながら、民主党よりもいち早く格差を拡げる構造改革に抵抗してきた我々が政治の方向転換を目指した参議院戦挙は残念ながら我が党の躍進は叶わず、民主党の一人勝ちによって与野党逆転に漕ぎ着けました。

 我々の手で一気に流れを変えるまでには至らず、次の総選挙が正念場と考えております。

 国民新党は今後も大政党に呑まれることなく、結党理念である郵政問題と格差によって下へ押し下げられた方々へのセーフティネットは勿論、格差を生まない政治を具体化するため心棒の通った戦いをして参ります。

輩と叫びし声が届かずも 尚輩と叫び続けん
国滅ぶ前の宴に諸人は 何を求めて尚舞い踊る

2007年10月10日 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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