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新年のご挨拶

 年頭に際し、旧年中に賜りました格別なるご懇情に心からの感謝を申し上げます。

 皆様のお力により一昨年に政権交代を果たさせて頂いたのにも拘わらず、昨年は不本意ながら国会のあらゆる審議、法案が停滞致しました。政治の停滞により益々経済が縮小し、国力が衰退していけば何れ日本は米中の狭間で沈むのではないかという危機感を日々募らせ、やはり政治の責任において一刻も早くデフレスパイラルからの脱却を図り、未来に希望のもてる政策を断行しなければならないと奮起しております。

 先ずは「入るを図って、出を制す」という財務省の軛から放たれ、思い切った経済財政政策を打ち出し、お金の流通を活発にしなければ景気はよくなりません。我が国は財政赤字とはいえ他国からお金を借りているのでなく、むしろ貸している世界有数の債権国です。自国民のために必要な投資を行い、雇用の安定化を図り先ず国民を豊かにするべきで、税収が上がれば借金は何れ減らせます。そこで産業振興は勿論、必要な社会資本整備などを通じて仕事を積極的に出す景気刺激策を行い、内需を拡大することが先決です。

 しかしながら、最もやっかいなのは日本国民の萎えてしまった精神を如何に回復するかということです。社会は国民の信条を映す鏡で経済政策も重要ですが、経済に翻弄された結果先ずは自分の幸せのみを優先し、他人の不幸に気を配るとか弱者への共感というものが無くなってしまったと危惧しております。「貧すれば鈍する」と云った単純なものではなく、市場経済を優先させ、競争を煽った結果弱いもの、都合の悪いものは排除されて当然という社会構造はやはり問題です。この社会的、精神的構造を正すために私は昨年金融界、マスコミ挙って大反対のモラトリアム法案を成立させ、現在は郵政改革法案の成立に全力をあげております。

 かつて小泉・竹中の経済財政政策によって断行された構造改革は今迄の日本の社会構造や人心を180度転換させる競争原理を最優先させ、アメリカの要望に添って規制緩和や郵政民営化を推進しました。その結果力のないものや地方を排除し、大企業や大都会のみが利益を貪るという格差が生じました。郵政の問題は単に地方の郵便局を守るということだけではなく、小泉竹中改革の象徴として我が国のかけがえのない資産(郵貯かんぽ資金)をアメリカに明け渡すことであり、日本経済の更なる衰退を招き地方を疲弊させるものです。私は時期通常国会において必ずやこれを成立させ斉藤社長と共に規模資産共に日本一の企業である日本郵政会社を立て直し、正社員化を積極的に図ることで社員を大切にする我が国の社会構造の手本となるべき会社に発展させたいと考えております。

 このことは日本社会を根本から立て直す一里塚に過ぎず、萎えてしまった日本人の魂を再び活き活きとした躍動感に溢れさせ、如何に希望に満ちた社会を醸成するか正に今が正念場を迎えていると云わざるを得ません。内政、外交共に混迷した昨年を一掃し、本年は他の者の幸せのために革命に身を投じたゲバラに習い、自作の和歌に盛り込んだ「咲くを惜しまず 散るを惜しまず」の信条で潔く精一杯政治家としての責任を果たして参る覚悟です。

 旧倍に増してのお力添えとご指導をお願い致しますと共に、併せて皆々様のご健康とご多幸を祈念申し上げ新年のご挨拶と致します。

何故に 心惹かるる 桜花
咲くを惜しまず 散るを惜しまず

平成23年元旦 亀井 静香

※無断転載を禁ず

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