天皇陛下の退位について
とうとう天皇陛下の退位について、特例法制定に向けて各党合意が成され、法案成立の方向性が出来てしまった。
昨年8月の陛下のお言葉を受けて以降の世論、国会の動きに危惧していた私は新年早々各党より意見集約を図るという大島衆議院議長に対し、私のような無所属の少数意見も聞いて頂きたいと議長公邸を訪ねた。
そこで「情緒に流されて陛下が退位出来る前例を作ってはいけない。お気の毒だけれどもそのようなお立場にお生まれになった以上、終生天皇陛下でおって頂かなければ国が乱れる。」と伝えたが、この問題はご高齢の陛下のお気持ちを尊重してという情で片ずけられる問題ではないと非常に大きな懸念を持ってきた。
日本国民が象徴として仰ぐ天皇陛下のご存在を考える時、役割を果たせなくなるということで恣意的にその御代を変えるということがあってはならぬ存在であり、現在でも代行・摂政制度がありそれを運用すれば良いと確信している。
我が国の過去において、権力を握ろうとする者が玉(天皇)の取り合いをし、南北朝に分かれた時代があったことは事実であり、その過ちを犯すまいと現在の皇室典範がつくられたのだ。
そもそも日本の皇室は、戦いを経て権力を握り帝位に着いたヨーロッパの王家とは根本的に違い、権力ではなく八百万の神と人間を繋ぐ唯一無二の存在としての権威を継承している存在であり、日本人の魂の根源は天皇の存在にあると言っても過言ではない。
世界に冠たる天皇制を守らずして国家の基礎を形成することは出来ないと考えている。
おりしもトランプ、プーチン、習近平という大国で独裁的な指導者が現れ、世界中でエゴのぶつかり合いが起きている現在、今後我が国に押し寄せるであろう荒波に立ち向かう時、国民が一丸となって跳ね除ける揺るぎない国家の基軸が必要であるとの強い思いから、この度のことが先例となって繰り返されぬよう、天皇制が未来永劫変わることなく存続されるのを祈るのみである。
2017年3月16日
靖国の 桜寂しき 御代の春 国の礎 永くと想えば
亀井静香
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